偽作 白雪姫 10 | 藤花のブログ 詩と

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 隣国の宮殿では 綺羅びやかで 華やかな

 仮面舞踏会が 開催されていました

 招待客は それぞれに着飾り 仮面をつけて

 優雅にダンスを楽しんでいました


 王妃と従者はというと フードコーナーに陣取り 

 高そうな ローストビーフやら オードブルやら 

 フルーツやら スイーツやら

 手当たりしだいに バッカバカ 食べて

 カクテルや シャンパンを 

 がっぶがぶ 浴びるように飲み

 胃袋に流し込みました





「 タダなんだから 思いっきり飲み食いしなさい 

  がつ がつ がつ ♪ 」

「 何日も 飯抜きで来た甲斐がありましたなぁ

  がぶり もぐ もぐ もぐ ♪ 」

「 いい素材を使っているようね 許せないわ 

  このやろ このやろ 成敗してくれるわ 

  ぐしゃ ぐしゃ ぐしゃ ごっくん ♪ 」

「 高級ワインやシャンペンも 豊富にありますねぇ

  わたくしめに 言わせもらえるなら

  アルコール度数低くて バカ高い酒は

  費用対効果が 悪いですなぁ

  アブサンとか テキーラとかのほうが

  すぐ酔っぱらえて お得ですよぉ

  でも タダのお酒は おいちいですなぁ

  タダより安いものはない っとくらぁ ♪ 

  ごきゅ ごきゅ ごきゅ ♪

  うっっひひひひひ ~ ひっくっ ♪ 」


「 粉物でんぷん質は あまり食べるんじゃぁないよ 

  腹がふくれて 損だからねぇ 」

「 わかってますよ わたくしめ元経済学教授ですよ 

  損得勘定は しっかりしてますよ~だ 」

「 食うだけ食ったら 残りは

 ドギーバッグに入れて持ち帰るのよ

  もちろん 犬なんか 飼ってないけどねぇ 

 ぐえっぷ ~! お~ほっほほほ ♪ 」

「 今月の食費が だいぶ浮きそうですなぁ

  食い放題飲み放題 ここはパラダイスですなぁ

  ういっぷ ~! うっひぃひひひぃ ♪ 」

「 来月も浮かすぐらい食っていきな

  お~ほっほほほ ♪ 」

「 おやぁ ? 王妃様 

  今日は やけに バストを上げて寄せて

  普段の貧乳 Aカップが

  Ḡカップくらいになってますよぉ

  いい歳こいて 色気づいて 

  若い王子を何とかしようと思ってるんですかぁ ?

  みぐるしいですなぁ うひひひひ ♪ 」

「 やかましい バストは女の武器庫なのさ

  後でお楽しみの 禁断の秘密兵器だよ

  お~ほっほほ ♪ 」

「 そりゃぁ 詰め物たっぷりだと

  秘密にせざるをえませんなぁ 」


  そこに 一人の青年が近寄り仮面をとりました 


「 これは初めまして 隣国の新しい王妃さま 」

  王妃は その声に振り向きました

「 私が この国の王子です 」

( なるほどねぇ これが この国の王子か

  長身で 痩身 足も長くて

  鼻筋通ってオメメパッチリ あごもシュッとして

  たしかに知的なハンサムボーイね

  しかし やり手と言われても 

  私から見たら まだまだ 青二才

  私の 策謀術の足元にも及ぶまい

  いつか さんざん弄んでから

  きゅっ! と ひねり潰して よく煮込んで

  甘酢あんかけ肉団子にしてやるわ

  お~ほほほほっ ♪ )


「 王妃は そんなどす黒い思いを顔に滲ませながら

  安っぽい バッタの顔のような仮面を取り 

  挨拶をするために 王子に近づき

  精一杯の引きつった 愛想笑いで会釈しました

「 ごきげんよう ♪ 王子様 」  

「 お忙しい中を おいでいただきまして 

  まことに ありがとうございます 」

  王子が 丁寧に挨拶をします
  
「 このたびは お招きいただき

  ありがとうございまっす ♪

  あいにく わが夫の国王は 

  体調が すぐれないので伺えませんでしたが 」

「 そうですか 残念ですね 」

「 歳のせいか ずいぶん弱ってきていましてねぇ

  歳は取りたくないものですわねぇ

  お~ほっほほほっ ♪ 」

「 しかし王妃様は ” 健 啖 家 ” で 

  食べ物の 好き嫌いもなく

  何でも 手当たりしだいに召し上がられて

  血色の悪い 青白い お顔の 

 口周りだけが 別の生き物のように

  てっかてか ギットギトと脂ぎっていますね 」

「 まぁ王子様ったら お口の お上手なこと

  お~ほっほほほほほほっ ♪ 」

「 鯨飲馬食とは王妃様のためにあるような言葉ですね 」

「 お恥ずかしい それほどでもありませんわ

  お~ほっほほほほほほほっ ♪ 」

「 食い意地が肥大化した おぞましく浅ましい

  さながら 飢餓意識にも似た

  食欲の権化と言えるでしょう 」

「 そんなに褒めていただいて うれしいわぁ ♪ 」

「 ふふふ ところで 確か 一人娘の 

  雪のような白い肌の 美しいプリンセスが

  居られたのではないですか ~? 」

「 まぁ ご存知でしたかぁ 

  でも そんなに綺麗ってわけじゃぁないんですのよ

  育ちの良くない 性悪で下品な山猿のような娘で

  それが お恥ずかしいことに家出してまして

  行方が知れないのです 国王はその心労で 、、 」

「 ほぅ そうですか 、、、 」

「 わがままに育って 勝手気ままに 

  よく家出してしまいますの

  困ったものですわ どこにしけ込んで 

  いかがわしい行為を しているんでしょうか

  やっぱり アバズレの血は 隠せませんよねぇ

  所詮 私の産んだ子じゃぁありませんから

  とても責任など もてませんわ

  この頃の若い娘は どこで どんな

  薄汚れ爛れまくった 変態行為を楽しんでいるのやら

  危険な違法薬物を飲んだり飲ませたりしているのかも

  ホント 今の若いものは どうなってるのでしょうね

  お~ほっほほほほほほほっ ♪ 」

「 それは さぞ心配で お困りでしょうね 。。 」

「 ええ たいそう王様が心配されて

  寝込んでしまいましたわぁ

  バカな親だから バカ娘が可愛いようなんですの

  おかげで 私が中心になって

  国中を 必死に捜索していますのよ 

  ほんと迷惑ばかりかけて

  ま~ったく困った小娘ですわ

  実母の顔が 見てみたいくらいですのよ 

  もっとも もう亡くなったのですけどね 

  あら いやだわ 王子様 そんな目付きして

  私が 母娘ともども 

  直接 手を下したんじゃありませんことよ 

  お~ほっほほほっ ♪ 」

「 ちょいとぉ 王妃様ぁあ ~

  口が すべってますよぉお ~ 」

  変態従者が 耳打ちします


「 実は 紹介したい人がいるのですが 

 お会いいただけますか ? 」

「 まぁ 王子様の紹介でしたら 喜んで 」

「 私のフィアンセです さぁ こちらにおいで 」


  王子に促されて 少し離れてた所から 

  金銀の仮面を つけた少女が 

  スポットライトに 照らされ

  まばゆい光を放ち 輝きながら

  一筋の 光跡のように

  優雅に ゆっくりとした足取りで

  王妃の前に 進み出ました

 
     続 く