tzunghaor
7人の 小さな人たちは 鉱山技師をしています
彼らは 国家の管理下でない鉱山で
密かに 金 銀 銅 などを採掘しています
それらを 国を通す事なく 非課税で
非合法に 隣国に横流ししていたのです
白雪姫が 家事をしてくれると
彼らは より効率的に働くことが出来ました
「 さて 今日の 食事は なんだろう ? 」
「 最初は ひどかったが 今は素晴らしい味だねぇ 」
「 うん 毎日 楽しみだねぇ 」
「 ほんと ほんと 」
宮廷料理を食べて 舌の肥えていた白雪姫は
見事な味付けの料理を 作るようになりました
「 あぁ なんて 美味しいんだ 」
「 おかわり 」
「 俺も 」
「 おいらも 」
「 ボクも 」
「 以下同文 」
「 うふふっ 作りがいがあるわ
みなさん いっぱい食べてね 」
七人は 標準サイズのベッドと 椅子を作りました
白雪姫は手足を伸ばし ぐっすりと寝ることが出来ました
平穏な日々が 過ぎていき
白雪姫の 逃避行の疲れもすっかり取れました
ある日 白雪姫は 彼らに質問しました
「 あなた方は どうして こんな辺鄙な所で働いているの ? 」
「 うぅん 話せば長くなるけどね 」
「 実は 俺達は もともと
職業レスラーとして働いていたんだな 」
「 四角いリングで 熱い戦いを繰り広げていたのさ 」
「 そうそう ミゼットレスラーとして
そこそこ人気があったんだよ 」
「 でも 一部の良識派といわれる連中が
フリークスのショーは
いかがなものか などと言い出して 」
「 新しい王妃様が
そんな ごく少数の意見を支持したんだ 」
「 新王妃は 差別主義者という話もあるよ 」
「 おいらたちの 容姿が お嫌いらしい 」
「 高身長で細マッチョのハンサムが お好きのようだ 」
「 それで フリークスのショーは ご法度だとさ 」
「 自分は ギンギラギンに着飾って 仮装行列みたいなくせに 」
「 おいらたち 長年ショービジネスで 食べてきたのにぃ 」
「 言い出した良識派の連中も 歪んだ正義感を振り回し
何かに いちゃもんを付けたいだけなんだ 」
「 そいつらも 新王妃様も 無責任だよ
僕たちの 再就職の 世話をするでもなく 」
「 仕事を取り上げられて
おいら達 どうすればいいのさ
何ら 生活の保証もないのに 」
「 結果 ぼくらは 失業さ 」
「 この時代 失業保険もないのにぃ 」
「 ただでさえ 俺たち差別されるのに
不況で 他の仕事にも ありつけず 」
「 一時は 盗賊にでもなろうかと思ったけど 」
「 でも俺達 身体は小さくてもプライドは高いのさ 」
「 人さまに 迷惑かけたりはしたくないよ 」
「 食うや喰わずの 泥水を啜るような生活をして
流れ 流れて こんな辺鄙な地に
たどり着いたのさ 」
「 畑でも作ろうかと あちこち開墾していたら 」
「 なんと ラッキーにも 鉱山を見つけて 」
「 力自慢のおいらたちには うってつけだったわけ 」
「 そんなこんなで やっと暮らしも落ち着いて 」
「 なんとか食えるようになってきたところなんだよ 」
「 でも設備投資に お金がかかって 自転車操業 」
「 贅沢は できないけどね 」
「 大金を貯めて いつか この国の体制に
一矢 報いてやろうと思っているんだな 」
「 王様は 新しい王妃の いいなりで
この国の 行く末が心配だよ どうなることやら 」
その言葉を聞くと 白雪姫の顔は 見る見ると曇り
その目が 潤んだとかと思うと
ポロポロと 大粒の涙が こぼれました
「 どうしたの ? 」
「 泣かないで 」
「 僕らが 付いているから 大丈夫 」
「 さぁ 元気をだして 」
「 ほれほれ ぼくらの ピクピク躍動する
筋肉を見て 機嫌を直して 」
白雪姫を 勇気ずけようと
小さい体でも 鍛え抜かれた肉体で
彼らは それぞれに ポージングをして見せました
「 アッポ~ 」
「 シャア ~ 」
「 ファイヤ ~! 」
「 おれは かませ犬じゃねぇ ~ 」
「 ぷろれす らぶ ~ 」
「 元気ですか ~? 」
「 元気があれば 何でもできる ~! 」
続 く