歩けメロス 26 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

 メロスと 王様の十字架の足元には、

 たくさんの薪が うず高く積まれ 

 火が つけられ、

 もくもくと 煙が上がってきました。




                     smackandtoss


「 なんで 火あぶりなんだよ ~!

  ごほっごほっん !

  オイラ、焼き芋でも 魔女でもないし ~! 

  まさか こんな最期を迎えるとはなぁ ~

  人生って わからないもんだなぁ ~ 

  冤罪って とっても悲しいよね とほほ。

  こら ~! 王様 ~!

  なんとか言えよ ~ ! 」


「 ふふふっ やはり 人は信用がならぬものだな、 

  けっして わしの してきた事は

  間違っては いなかったのだ 。

  お前も これで良くわかっただろう、 

  辛く 孤独で悲しい わしの気持ちが。

  たとえ この身が焼きつくされようと 

  わしは 信念を曲げぬぞ !

  わしが 正しかったのだ ~!

  これでいいのだ ~! ごほほほっ ! 」


「 あぁぁ 焼き芋や バーベキューや シシカバブー

  ローストビーフや ローストチキンは大好きだけど 

  自分が美味しく ローストされてしまうなんて、

  それを自分で 味わえないのが残念だ ~!

  ねぇ 王様 ~ げほ げほほっん ~! 」


「 わしはベジタリアンじゃ、ごほん ごほほん ! 」


  薪の火は 燃え盛ってきます、

  メロスと、王様を 炙ります。


「 あち”~! あち”~よ! ごほごほっ !

  肴は炙ったイカでいい~♪ て訳にはいかないよ~!

  あっち”~よ”~ 誰か助けて”~よ”~! 」


  メロスと 王様は 煙と炎に包まれました。





「 そうだ 王様 ~! おしっこしてみなよ

  火が消えるかもよ ~! 」


「 ばかもの ~~~!

  王たる者 例え 火あぶりになろうと、

  そんな 見苦しい真似が出来るか ~!

  お前が 盛大に ジョンジョリンと 

  やればいいのだ ~! 」


「 オイラ 昼夜、歩きっぱなしで 

  脱水状態 さっき ちびったから

  もう おしっこ出ないよ ~! 」


「 心頭滅却すれば 火もまた涼し なのだ ~! 」


「 なに、わけ分かんない事 言ってるんだよ ~! 」


「 東洋の ありがたい思想なのだ ! 」


「 そんなわけ あるかよぉぉぉおおお ~!

  あちち あちち !

  ああぁ 煙が眼にしみるよ ~! げほほほっ !

  オイラは品行方正なノンスモーカーなのにぃ ~! 」


「 『 Smoke Gets In Your Eyes 』 じゃな、

  ごほほ ゴホ ゴホ ! 」


「 何 曲名をぶち込んでくるんだよ !

  オイラ 違法薬物だって炙って吸入しないし

  ヤバイヤバイハ~ブだって 

  吸ったことない良識人なのにぃ ~

  ゴホホホ うげげ うげげげ !

  ほんとに 美味しく燻製になって

  し~ぬってば ~~~~!! 」


      続 く