メロスと 王様の十字架の足元には、
たくさんの薪が うず高く積まれ
火が つけられ、
もくもくと 煙が上がってきました。
smackandtoss
「 なんで 火あぶりなんだよ ~!
ごほっごほっん !
オイラ、焼き芋でも 魔女でもないし ~!
まさか こんな最期を迎えるとはなぁ ~
人生って わからないもんだなぁ ~
冤罪って とっても悲しいよね とほほ。
こら ~! 王様 ~!
なんとか言えよ ~ ! 」
「 ふふふっ やはり 人は信用がならぬものだな、
けっして わしの してきた事は
間違っては いなかったのだ 。
お前も これで良くわかっただろう、
辛く 孤独で悲しい わしの気持ちが。
たとえ この身が焼きつくされようと
わしは 信念を曲げぬぞ !
わしが 正しかったのだ ~!
これでいいのだ ~! ごほほほっ ! 」
「 あぁぁ 焼き芋や バーベキューや シシカバブー
ローストビーフや ローストチキンは大好きだけど
自分が美味しく ローストされてしまうなんて、
それを自分で 味わえないのが残念だ ~!
ねぇ 王様 ~ げほ げほほっん ~! 」
「 わしはベジタリアンじゃ、ごほん ごほほん ! 」
薪の火は 燃え盛ってきます、
メロスと、王様を 炙ります。
「 あち”~! あち”~よ! ごほごほっ !
肴は炙ったイカでいい~♪ て訳にはいかないよ~!
あっち”~よ”~ 誰か助けて”~よ”~! 」
メロスと 王様は 煙と炎に包まれました。
「 そうだ 王様 ~! おしっこしてみなよ
火が消えるかもよ ~! 」
「 ばかもの ~~~!
王たる者 例え 火あぶりになろうと、
そんな 見苦しい真似が出来るか ~!
お前が 盛大に ジョンジョリンと
やればいいのだ ~! 」
「 オイラ 昼夜、歩きっぱなしで
脱水状態 さっき ちびったから
もう おしっこ出ないよ ~! 」
「 心頭滅却すれば 火もまた涼し なのだ ~! 」
「 なに、わけ分かんない事 言ってるんだよ ~! 」
「 東洋の ありがたい思想なのだ ! 」
「 そんなわけ あるかよぉぉぉおおお ~!
あちち あちち !
ああぁ 煙が眼にしみるよ ~! げほほほっ !
オイラは品行方正なノンスモーカーなのにぃ ~! 」
「 『 Smoke Gets In Your Eyes 』 じゃな、
ごほほ ゴホ ゴホ ! 」
「 何 曲名をぶち込んでくるんだよ !
オイラ 違法薬物だって炙って吸入しないし
ヤバイヤバイハ~ブだって
吸ったことない良識人なのにぃ ~
ゴホホホ うげげ うげげげ !
ほんとに 美味しく燻製になって
し~ぬってば ~~~~!! 」
続 く