歩けメロス 23 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

  
 「 うねぬ ! 何をしている ~!

   命令が聞けんのか ~!

   わしを愚弄する下賎の者を

   皆殺しにするのだ ~! 」 


   今や 裸の王と化した 孤立したディオニス王が、

   磔台の上で 声を枯らして叫び続けています。


 「 王様 ~ うるさいよ ~ 

   殴られた腹に響くよ ~ 」

   メロスは だらしなくへたり込んだままです。 
  

   興奮して わめき散らしている王は 

   怒れる民衆 被害者の会の者たちに詰め寄られ

 「 おぉぉお ! 何をするのだ ! 

   下賤の者達のくせに ! 」

   抗議の叫びも虚しく 王は

   処刑用の十字架に はりつけられました。




「 次は救世主様を 十字架にかけるんだ ! 』

「 救世主メロスを! 捕まえろ ! 」

「 な ん で ~? 」

「 メロスに俺達の原罪を背負わせるんだ 」

「 それはナイス・アイディア 」

「 かかれ~! 」

「 えっ !なんですとぅ、

  げんざい? ぜんざい? おばんざい? 」

  とメロス。

  誰かの手が メロスの肩を掴みました。

「 ひゃぁぁああ~! 」

  メロスは体をよじり 手を振りほどきました。

「 逃がすな ~! 」

「 きゃぁぁぁああ ~ ! 」


  メロスは 駆け出しました、

  ラグビー選手のように 

  捕まえに来る群衆を避けて 走りました、

  疾風のごとく、いや 脱兎のように、

  いやいや 汚いドブネズミのように

  広い刑場を駆け回りました、

  おデブで 短足なので ちょこまかと。


「 そっちに逃げた~!」

「 絶対 逃がすな ~! 」

「 てめぇ このヤロ~! 」

  救世主さまと持ち上げられたメロスでしたが、

  今や逃亡犯扱いです。

  どうなるメロス ?


      続 く