巨人国編 偽作ガリバ~旅行記 12 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

  ガリバ~は またまた危険な目にあいました、

  外から宮廷に 猿が入り込み、

  ガリバ~に イタズラしたのでした。


  ある日、王妃が ガリバ~を自分の部屋に残し、

  トイレに行きました。

  大へん暑い日でした、部屋の窓は開け放されて、

  ガリバ~の箱の戸口も窓も開け放しになっていました。


「 あ”ぁ 暑”い”よ” ~ うだるぅぅう ~ 」


  ガリバ~が ボ~っとしていると、

  何者か 窓から跳び込んで、部屋の中を

  ドタバタ 歩きまわるような音がするのです。


「 なんじゃらほい ? 」


  ガリバ~は 音のした方向を見ました。


「 うぉぉおおおお ~! 」


  ガリバ~は ひどく驚きました。

  猿が 王妃の部屋に入って来て 

  あちこち はねまわっているのでした。


「 でっ 伝説の 南海の孤島に住むという

  キングコング かぁぁぁあ ~! 」






「 ウキィ ウキィ ! 」


「 いやいや オイラが小さいから

  この国の 普通の猿なのだろうな

  でも 口を開け 歯茎むき出しにすると

  乱杭歯が 怖いよぅ ~ 」




   
  やがて、猿はガリバ~の箱に気づきました。

  猿は珍しそうに 戸口や窓から中をのぞきこむのです。



 <  ウッキィ ? >


「 やばいよ ! 隠れなくちゃ 」


  ガリバ~は箱の 一番奥の隅へ逃げみましたが、

  猿が四方から のぞきこむので、


< ガタガタガタ > 

  怖くて歯の根が合いません。


「 猿は 雑食だから 

  捕まれば オイラも喰われるかもぉ 、、、 」


  猿は ガリバ~の姿を見つけると、

  戸口から片手を伸してきました。


「 きっと オイラ 美味しくないと思う

  脂が多くて 胃がもたれるよ ~ 」


  ガリバ~は 逃げまわっていたのですが、

  服をつかまれ 引きずり出されました。


「 ぎゃっ ! つかまった ! 」

  猿は ガリバ~を右手で引き上げました。


「 ぎゃぁぁぁ ! 喰われるぅぅぅうう ! 」














  しかし猿は 子供に

  母乳を飲ませるような恰好で

  ガリバ~を かかえました。


「 はなせよ ! オイラ 小猿じゃないぞ ~! 」


  ガリバ~が ジタバタすると、

  猿は 離すまいと強くしめつけるのです。


「 むぎゅ ~ 」


  ガリバ~は 絞め殺されないように

  おとなしくせざるを得ませんでした 


  やがて 猿は優しげに ガリバ~の顔をなでます、

  毛づくろいもします。

  ガリバ~を同じ猿の子だと感違いしてるのでしょうか。

  人として不細工なのが 幸いして 

  猿の仲間と 認識されたのかもしれません。

  猿が ガリバ~を あやしているところへ、

  突然、部屋の戸を開ける音がしました、


<<  ガチャ ! >>


「 あぁ おやつに 焼き芋 食べて

  お通じも良くなって

  ドバッと 出すもの出して スッキリ ♪ 」


  王妃が戻ってきたのでした。


<< ウキィィイイ ! >>


  猿は あわてて窓の方へ駈けつけ、

  一本の手でガリバ~を抱いたまま  

  雨ドイを伝って、隣りの大屋根まで 

  ひょいと よじのぼってしまいました。

  猿がガリバ~をつれて行くのを見ると  、 


「 もっ もん キィイイイイイイ~ ! 」


  と 王妃が金切り声をあげました。


  宮廷は 大騒ぎになりました。

  召使はハシゴを取りに行きました。

  猿は 屋根の上に腰をおろすと、

  まるで赤ん坊のように片手で

  ガリバ~を 抱いています、

  屋根の下では王宮の人々が、

  この光景を見上げているのです。
 

  ガリバ~が逃げようとすると、

  猿は母親が子をあやすように、

  ガリバ~を軽く叩くのです。


「 ひゃぁぁ ~ いたいよぉぉお ~ 」


  それを見て、下の群衆は みんな笑いだしました。


「 かわいそうな気もするが 

  腹抱えて笑っちゃうよね

  ぎゃははははは ♪ 」

  
「 猿に石が当たれば ガリバ~を離すんじゃね ? 」

  猿に、小石を投げる者もいました。


<  ビュ~ン ! > <  ガツン ! >


  石は 猿に当たらず 屋根に当たりました。


「 うわぁ 危ない~! やめてぇ ~! 

  石が あたったら ど~すんの !

  あんたらには 小石でも

  オイラには でっかい岩ですから ~

  簡単に オイラ グシャっと

  潰れちゃいますけど ~ 」


「 やめなさぁぁぁ~い !

  石がガリバ~に当たったらまた

  お漏らししちゃうわよ

  小さいくせに とっても臭いんだから ! 」


  投石は すぐ禁じられました。

  やがて梯子をかけて数名が屋根にのぼって来ました。

  猿はそれを見て、囲まれたとわかると、


「 キキ キキ ! 」


  危機を感じた猿は 

  やむをえず ガリバ~をそこに残して、

  もっと高い屋根に逃げてしまいました。

  ガリバ~は 屋根の上で滑り落ちはしないかと

  生きた心地がしませんでした。


「 この高さ 落ちたら間違いなく

  トマトが潰れたようになっちゃうだろうなぁ ~ 」


  やがて侍従の一人が震えているガリバ~を見つけました。


「 あぁ 御無事でしたか ! 」

「 ぷるぷる 高いよぅ 怖いよぅ 助けてぇぇ ~ 」

「 今 下ろして差し上げますから

  心配めさるな 」


  侍従が ガリバ~を上着のポケットに入れて、

  無事に地面まで おろしました。

  しかし 猿に抱きしめられていたため、

  両脇が 痛くてたまりません。

  ガリバ~は あばら骨を痛め 

  二週間ばかり病床につきました。

  王様、王妃様が 毎日お見舞いしました。


「 また 今日も メロンですかぁ ?

  もっと がっつりしたものを 食べたいなぁ ~ 」


「 あっそう じゃぁ 食べなくていいわ

  この時期 メロンは高いのよ 」


  いやいや せっかくだから美味しくいただきますぅ 」
 

「 しかし あんな猿が出た場合、

  エゲレスでは どうするのかのぅ ? 」

   
  王様 エゲレスには 猿などいないよ、

  いても それは物好きが 

  遠くの国で つかまえたもので、

  そんなものは オイラより小さいから

  一ダースぐらい 束になっても平気さ、

  片手で 首根っこ掴んで

  ちぎっては投げ ちぎっては投げ 、、、 」

   
  ガリバ~の仕草と 物言いに、

  王様と王妃は どっと噴きだしました。


「 首根っこ 掴まれていたのは

  いったい どこの どなたさん 

  だったかしらだったかしらねぇ ?

  猿がいないと ずいぶん強気だわ

  それこそ 猿芝居よね

  お~ほっほほほほほ ♪ 」


「 強がらなくても良いのじゃ

  弱い猿ほど 良く吠えると申すではないか 

  いや イヌだったか、

  うほほほほほほ ♪ 」


「 ウキキキィ ♪ 」


「 なんだよ 『 うきききぃ ♪ 』 って ? 

  猿じゃあるまいし プンプン ! 」


  ガリバ~は 声の方向へ振り向きました。


「 あぁ ! また あの猿だ ~! 」


「 ガリバ~は 猿に好かれておるのう 

  人気者じゃのぅ うほほほ ♪ 」


「 もしかしたら 子どもを亡くした

  母ザルなのかもしれないわねぇ

  ガリバ~ いっそのこと養子になっちゃえば ?

  お~ほっほほほほ ♪ 」

   
「 誰かある あの猿を捕まえよ ~!

  ガリバ~の 乳母として雇うかのう 

  うほほほおほほほ ♪ 」


  しかし 悠然と人をあざ笑うように 

  サルは 王室から たち さる のでした 。



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