、
老婆が帰って来ました。
「 おや ? 縄梯子が 下ろしっぱなしだ、
不用心だねぇ、
泥棒にでも入られたらどうするつもりだ。
お~い ! ラプンツェル ! 」
返事がありません。
老婆は縄梯子を登りました。
「 ラプンツェル ! どこにいるんだい ! 」
それほど広くない ツリーハウスの中に
ラプンツェルはいませんでした。
「 まさか 一人で 地上に降りていったのか ! 」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ラプンツェルは 自称王子と 逃げ出しました。
「 あぁ なんて綺麗な お花たち 」
道すがらラプンツェルは
野に咲く花に魅入られました。
「 お い !
花なんかに見とれているんじゃない、
これだから 女は困るんだ、
早く歩け このアマ ! 」
なんだか下品で 王子らしくありません。
「 ねぇ 私達 これから お城に行くの ? 」
「 あぁ お前に相応しい い~い所に連れて行ってやるさ
ふふふふふふ ♪ 」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「 まずい事になった、
ラプンツェルを 見つけなければ 」
老婆は 慌てて 地上に降りました。
「 いずれ地上に 下ろしてやるつもりだったが、
しかし、一人で逃げ出すとも思えない、
まさか 誰かに そそのかされたのか 、、、、 」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「 さぁ ついたぞ、ここが お前のお城だ 」
ラプンツェルが連れてこられたのは
お城ではありませんでした。
「 ここは どこですか ? 」
「 ふふふ、ここは男達の 夢の根城だ、
酒を飲んで、料理を食べて、
博打をして、女を買う、
素晴らしいところだぞ、
ここで お前はこれから働くんだ 」
「 えぇ、それは、話が違います ! 」
「 バ ~ カ め !
お前のような女を騙して、
こういう所に売り飛ばすのが 俺の仕事だ、
女衒の手足になって 女を調達する
女なら誰でもイチコロの
ここいらじゃ NO1のイケメン、
人呼んで 『 人さらい王子 』 たぁ
俺さまのことだぜぃ !
この国の本物の王子は
残念なことに 俺様ほど美形じゃないんだ、
正直言ってブサイクなんだぜ、
高貴な身分なのにな、
ぎゃっははははははは ♪ 」
「 そっ そんな 、、、 」
「 ツリーハウスに 老婆と二人で住むという
長い髪の少女の話を 酒場の酔っぱらいから
小耳に挟んだんだ。
これは良い獲物だと考え、
しばらく様子をうかがって、
老婆が出掛けるスキを狙ったんだ。
まんまと 連れ出し成功、
お前は世間ずれしてないから 騙すのは簡単、
『 王 子 』 なんて言葉にホイホイ乗りやがって、
これだから 女はバカだっていうんだ、
シンデレラにでも なったつもりだったかぁぁん。
うひゃはははははっは ♪ 」
ラプンツェルは 悪辣な男に騙されて
怪しげな売春宿に売られてしまったのです。
続 く