偽作 ラプンツェル 2 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい


  老婆が帰って来ました。

「 おや ? 縄梯子が 下ろしっぱなしだ、

  不用心だねぇ、

  泥棒にでも入られたらどうするつもりだ。

  お~い ! ラプンツェル ! 」


  返事がありません。

  老婆は縄梯子を登りました。


「 ラプンツェル ! どこにいるんだい ! 」


  それほど広くない ツリーハウスの中に

  ラプンツェルはいませんでした。


「 まさか 一人で 地上に降りていったのか ! 」


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


  ラプンツェルは 自称王子と 逃げ出しました。


「 あぁ なんて綺麗な お花たち 」

  道すがらラプンツェルは

  野に咲く花に魅入られました。





「 お い ! 

  花なんかに見とれているんじゃない、

  これだから 女は困るんだ、

  早く歩け このアマ ! 」


  なんだか下品で 王子らしくありません。


「 ねぇ 私達 これから お城に行くの ? 」


「 あぁ お前に相応しい い~い所に連れて行ってやるさ

  ふふふふふふ ♪ 」


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


「 まずい事になった、

  ラプンツェルを 見つけなければ 」


  老婆は 慌てて 地上に降りました。


「 いずれ地上に 下ろしてやるつもりだったが、

  しかし、一人で逃げ出すとも思えない、

  まさか 誰かに そそのかされたのか 、、、、 」


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。




「 さぁ ついたぞ、ここが お前のお城だ 」

  ラプンツェルが連れてこられたのは

  お城ではありませんでした。


「 ここは どこですか ? 」


「 ふふふ、ここは男達の 夢の根城だ、

  酒を飲んで、料理を食べて、

  博打をして、女を買う、

  素晴らしいところだぞ、

  ここで お前はこれから働くんだ 」






「 えぇ、それは、話が違います ! 」


「 バ ~ カ め !

  お前のような女を騙して、

  こういう所に売り飛ばすのが 俺の仕事だ、

  女衒の手足になって 女を調達する

  女なら誰でもイチコロの

  ここいらじゃ NO1のイケメン、

  人呼んで 『 人さらい王子 』 たぁ

  俺さまのことだぜぃ ! 

  この国の本物の王子は

  残念なことに 俺様ほど美形じゃないんだ、

  正直言ってブサイクなんだぜ、

  高貴な身分なのにな、

  ぎゃっははははははは ♪ 」 
 

「 そっ そんな 、、、 」


「 ツリーハウスに 老婆と二人で住むという

  長い髪の少女の話を 酒場の酔っぱらいから

  小耳に挟んだんだ。

  これは良い獲物だと考え、

  しばらく様子をうかがって、

  老婆が出掛けるスキを狙ったんだ。

  まんまと 連れ出し成功、

  お前は世間ずれしてないから 騙すのは簡単、

『 王 子 』 なんて言葉にホイホイ乗りやがって、

  これだから 女はバカだっていうんだ、

  シンデレラにでも なったつもりだったかぁぁん。

  うひゃはははははっは ♪ 」


  ラプンツェルは 悪辣な男に騙されて

  怪しげな売春宿に売られてしまったのです。


        続 く