惑星間戦争は 苛烈さを極めた
兵士は 大きく肩で息をした
額には 汗と血がにじむ
戦況は 最悪の事態だった
自軍の機動歩兵機は 全滅状態
ただ一機のみ残った
彼の搭乗する機動歩兵機の
超音波振動ソードは 折れ
50ミリ機関砲ライフルの弾は尽き
熱線銃のエネルギーも切れた
残されている武器は
起動歩兵機の 動力源
超小型原子炉の 破壊
つまり自爆しか無い
逃げ出すことは 許されない
仮に 生きて帰れたとしても
敵前逃亡として 軍事裁判の後 処刑される
降伏も出来ない
敵に捕らえられた兵士は
動力源を外した機動歩兵機と共に 爆破される
逃げ道はない
兵士は敵陣に 突撃した
恋人と別れる寸前の
軌道エレベーター・ステーションでの
最後の 会話
『 愛 し て る 』
恋人の言葉を 胸に抱え