岩の悲しみ

　悠久の　過去に
　

　硬く　形作られた　岩


　気が遠くなる　年月を　


　呪縛され　封じられ

　
　日に照りつけられ


　風雨に　晒される


　深き罪を　責められ


　糾弾されるが　如く


　ただ　責め苦を　受け入れるだけ


　いつしか　岩に亀裂が　走る


　贖罪するかのように　自ら傷つき　


　岩は砕け　石となり


　石が　砂に


　さらに　微粒となる


　いつか その身に


　吹き付ける　風に乗り　


　遥か彼方まで　舞う


　留め置かれた　悲しみから


　許しを　受け


　解き放たれるように


　高く　高く　舞い上がる


　遥か遠い　約束の地に　向かうために