偽作 ラプンツェル 6 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

 

  
  老婆は 液体を男に浴びせました。

  しかし、液体は目にはかからず

  服にかかりました。


「 ば ~ か め !

  同じ手に ひっかかるかい ! 」


  男は ナイフを振りかざし 襲いかかりました。





「 ババア ! 地獄に落ちろぉぉぉおお ~! 」


「 ふん、バカはどっちかなぁ ? 」


  老婆が 懐から取り出した

  二つの火打ち石を叩き合わせると、

  火花が 男に向かって飛びました。





<<  ボ ッ ! >>

 
   

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  男は 炎に包まれました。


「 うわっ 火だぁぁぁああ ~ !

  ぐわぁぁああ ~!

  あっちいようぉぉおお ~! 」

  服が燃え上がった男は 店から外へ転げ出ました。


「 アルコール度数の ものすごく高い

  炎の酒の お味は いかがかなぁ ~? 

  たっぴり唐辛子を漬け込んでもあるのさ、

  強烈な刺激があるんだよ、

  どうだい 体が あたたまるだろう ? 」

  老婆は 火の酒を口に含み 霧状に吹き

  次々と火球を飛ばし 火柱を吹き上げました、

  誰も 手を出せません。


「 なんて恐ろしいババアだ まるで悪魔、

  いや 魔 女 だ 、、、 」

  と 店主。


  店は大騒ぎになり、

  誰かが 店のケツ持ち( 用心棒的存在 )の

  街の顔役を 呼びに行きました。


「 婆さんが 火を吹いて大立ち回り ?

  なんじゃぁ そりゃぁ ? 」

「 助けてくださいよ、俺達じゃ手に負えない 」


「 しょうがねぇなぁ 」

  街の顔役が手下を連れ 駆けつけました。


「 婆さん相手に なにを大騒ぎしてるんだ、

  あ っ ! 」

  と 顔役。


「 このババアが 娘を返せと 

  殴りこんできたんでさあ、

  うちの若い衆が 目を潰されるやら、

  火だるまにされるやら、とんでもないババアです、

  何とかしてください 」

  と 店主。


  顔役は口から火柱を吹き上げている老婆に

  ゆっくりと近づきました。


       続 く