偽作 アリババと40人の盗賊 3 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい


  カシムはロバを連ねて岩山へ行くと、


「 開け、セサミ ! 」

  と、言いました。


<<  ごごごごご ! >>


  開いた洞窟の中に入ると、

  そこかしこに財宝が山のように置かれています。



「 今 盗賊に帰ってこられたらまずい、

  岩戸を閉じて袋に入れよう、それがいい 」

  カシムが岩の前で、

「 閉じろ、セサミ ! 」

  と、言うと、岩は


<<  ごごごご ! >> と閉じました。


「 おっしゃぁ ~!

  有りったけ 袋に詰め込むぞ ! 」

  カシムは、財宝を袋に入れ始めました。

「 ぎゃははは ♪ 大漁大漁 ♪ 」

  兄弟ともに 倫理観のかけらもありません。


「 おし ! 今回は これぐらいで勘弁してやるか 」


  カシムは財宝で 膨れ上がった袋を乗せた

  ロバたちの手綱のロープ引きながら

  岩戸の前に来ました。

  しかし、外に出ようとしたのですが、

  宝物に夢中になり うろ覚えだったため 

  開けるための呪文を失念してしまったのです。


「 開け ササミ、開け ミミズ、 

  開け ズッキーニ、開け ニンジン、

  おっと 『 ん 』 がついてしまった。

  えぇっと 開け レタス・

  開け スイカ・開け カボチャ 」

  無駄な尻とりをしてオロオロしているうちに、

  盗賊たちが戻って来てしまいました。


<< ごごごご ! >>


  岩戸が開きました。


「 あぁぁ ! このこそ泥め ! 」


「 ひゃぁぁあ ~! めっかっちゃった ~! 」


「 盗賊から泥棒するとは、とんでもないやつだ ! 」


「 血祭りにしてくれる ! 」


「 地獄に行って 反省しろ ! 」


「 ひえぇぇ ~! 

  わたしが悪いんじゃぁないです、

  弟のアリババに 脅され命令されて

  ここに来たんですぅ ~ 」


「 なんだとう ! 嘘つくじゃねぇ ! 」

「 こそ泥の くせに ! 」

「 手を 切り落としてやろうか ! 」


「 ひぇぇええ ~ ほんとうなんですよぅ、

  弟のアリババが悪いんです、

  先に盗みだしたのは アリババです 」


「 じゃぁ そいつの所に案内しろ ! 」

「 奪われたものは 全て取り返す ! 」

「 ただじゃ 済まさないぞ ! 」

「 はいはい 仰せのとおりに、

  コ❐スのはアリババだけにして

  私の命だけは お助けをぉぉ ~ 」

「 お前は兄なんだろう ?

  弟への情は 無いのか !

  呆れた兄弟だなぁ ~ 」

「 兄弟は他人の始まりなんてぇこと申しましてな、

  えへえへえへ 」


       続 く