いらすとや
あるところに、
お母さんヤギと、
七匹の子ヤギたちが 住んでいました。
ある日の事、お母さんヤギが言いました。
「 お前たち。
お母さんは 用事で外出しますから、
みんなで お留守番をしているのですよ。
それから 豚さんに撃退された
お腹を空かせた 悪いオオカミが出るというから、
用心するのですよ 分りましたか ? 」
「 オオカミって 何 ? 」
「 食べられるの ? 」
「 いいえ 食べ物じゃないわ 」
「 じゃあ 何 ? 」
「 危ない 動物よ 」
「 オオカミって、怖いの ? 」
「 そうですよ。何しろオオカミは、
私達 ヤギを 食べてしまうのだからねぇ 」
「 えぇ ? 」
「 ぼくたちを たべるの ? 」
「 怖いよ ~ ! 」
「 え ~ ん ! 」
「 大丈夫 家の中にいれば 安全ですよ。
ただ オオカミは ズル賢いから、
お母さんのふりをして 家に入ろうとするかもしれないわ。
オオカミは ガラガラ声で 黒い足をしているから、
そいつが お母さんのふりをしてやって来ても、
決して家の中に 入れてはいけませんよ 」
「 は~い、わかったよ 」
「 絶対 家に入れたりしないよ
「 そうだ そうだ 」
「 そこまで ぼくたちは おろかじゃないよ 」
「 そうね、ちゃんと お留守番するんですよ 」
「 は ~ い 」
「 わかった ~! 」
「 じゃあ、いってらっしゃい 」
「 いってきますよ いい子にしていなさいよ 」
子ヤギたちは お母さんヤギを見送ると、
玄関のドアに カギをかけました。
< ガ チ ャ リ ! >
しばらくすると
今まで 姑息に 隠れて
様子を伺っていた狼が
姿を 現しました
「 しめしめ 母親は出かけたな。
やっと レンガの家から 命からがら
苦労してトンネルを掘って大脱走してきたんだ。
飲まず食わずで 腹へって 腹へって たまらない、
体力落ちてるから 子ヤギを食べて
元気にならなくっちゃ。
あぁ さぞ 子ヤギは柔かくて
美味しいんだろうなぁ うひひひ ♪ 」
狼は 玄関の戸を叩き
よだれをダラダラ垂らしながら 言いました。
「 坊やだち”~、開げておく”でぇ~、
お母~ざんだぁ”よ ~ 」
すると、子ヤギたちが言いました。
「 う そ !
お母さんは、そんなガラガラ声じゃないよ 」
「 そうだ、そうだ 」
「 だまされるものか ! 」
「 お前は オオカミだろう ! 」
( ち っ !
声でばれたか まんざらバカじゃなさそうだ )
「 とっとと かえれ ! 」
「 バ~カ 」
「 バ~カ 」
「 マヌケ 」
「 お前の母ちゃんデベソ 」
「 なんだと ちきしょう
母ちゃんまでバカにしゃがって!
覚えてやがれ ~ ! 」
狼は 少し考えて 薬屋に行きました。
「 おいら 声がハスキーなんだなぁ ~
のどに良いものは あるかなぁ ? 」
「 いらっしゃい そうですね、
のど飴などは いかがでしょう 」
「 じゃぁ それ おくれ 」
「 お代を お願いします 」
「 オオカミに 貨幣の支払いを求めるのは
間違っていると思うぜ
俺は貨幣社会には 組み込まれないのさ
なにせ ロンリー・ウルフだかんね 」
「 なにぃ ふざけんな ! これでもくらえ ! 」
薬屋は たまたま手にしていた
黒板用のチョークを 投げつけました。
「 あ う っ ! 」
驚いた狼の口に チョークが入り、
< がりがり ごっくん ! >
オオカミは反射的に 噛み飲み込んでしまいました。
「 うえっ ぺっぺっ ! 何を喰わせるんだ ! 」
狼は 逃げ出しましたが
なぜか のどが すべすべしました。
「 あ ~ あ ~ ♪ あ れ ぇ ? 」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「 坊やたち~、開けておくれ~、お母さんだよ~♪ 」
「 あっ、お母さんの声だ ! 」
「 おかえりなさい 」
「 おかえりなさい 」
子ヤギたちは玄関に かけよりましたが、
ドアの すき間から見えている足が まっ黒です。
「 なんだよ その足は ! 」
「 お母さんは、そんな黒い足じゃないよ ! 」
「 オオカミか ! 」
「 そうだ、そうだ ! 」
「 お前は さっきのオオカミだろう ! 」
「 ざけんなよ ば~か ! 」
「 ぎゃははっ ば~か ! 」
「 だまされるもんか ば~か ! 」
「 くされ オオカミ おとといおいで ! 」
( ちっ、足の色で ばれたか
観察力も あるじゃぁないか
ガキ共め ホントに めんどくさい連中だなぁ
あぁ もう 腹が立つし 腹も減るし ! )
そこで オオカミはパン屋に行きました。
「 ごめんよ 誰かいるかい ? 」
「 いらっしゃい ! 」
「 小麦粉が欲しいんだが 」
「 パンなら 売るほどありますよ 」
「 おいらが 今ここで パン食べてどうする、
パンを食べて満足したら
これから 話が進まないだろう、
パンごときの 炭水化物で満腹するのは
オオカミのプライドが 許さないのだ。
おいら 小麦粉が 欲しいんだよ ! 」
「 さいですか じゃぁ業務用ですが これを 」
「 ありがとよ 金は無いんだ つけといて 」
「 お客さん そういうわけにはいきませんぜ 」
「 なんだと ! オオカミを怒らせるなよ !
がぶりと お前を食っちまうぞ !
ガルゥルルル ~! 」
狼は おもいっきり でかい口を開け威嚇しました。
「 ひぇぇえええ ~! それはご勘弁を 」
「 じゃぁ オレの足に 粉を付けるんだ ! 」
「 はぁ はい 、、、 」
空腹で イラついた狼は
店の主人を 脅して、
小麦粉で 足を白くさせました。
「 フライにでも するんですか ? 」
「 そうそう
ケンタxキー・フライド・チキン・ハート・ウルフ
って 、、、 おい !
おいらが 自分の足を フライにしてどうする、
お前を フライにして食ってやろうか ? 」
「 ご勘弁を お代はけっこうです、
小麦粉は お持ちください ~ 」
「 そうかい そうかい 小麦粉だけに
『 あげ( 揚げ )ます 』 ってか
うひょひょひょ ♪ 」
続 く