狼のブルース 7 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい


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「 い た だ き ま ~ す !

  ご っ つ あ ん で ~ す ♪ 」


  オオカミは ヨダレまみれの 大口を開け

  鋭い牙で 少女の喉笛に噛み付こうと

  襲いかかりました


「 がぶり寄りで ガブリっとな ♪ 」


「 き ゃ ぁ ぁ あ ~~! 」

  オオカミの急襲に 少女は 悲鳴を上げました















  し か し

  日頃の 母との激しいスパーリングの成果で 

  無意識に 少女の身体が反応しました

  軽やかに 左にサイドステップして 

  襲い掛かってくる 間抜けな

  大口を開いたオオカミを かわしました
         
  一瞬 少女の姿が オオカミの目の前から消えました


「 おやぁ ? あの娘は どこぉお ~ ? 」


  目標を失い 体勢が崩れたところに

  空気を切り裂き 唸りを上げた拳が 飛んできました


  少女は 見事な 踏み込みの体重移動と 

  腰の入った 渾身の 

  コークスクリューぎみの ロング右フックを 

  カウンターで オオカミのアゴに 叩き込みました

  オオカミの顔が 激しく波打ち 醜く歪みました

                          「 ぎ ゃ ん !! 」


  オオカミのアゴは 砕けそうになり

  無様に 腰砕けで尻餅をつき 

  床に 崩れ落ちました

        
「 け っ ! 

  てめえは さっきのオオカミだな ~ぁぁあ !

  気付かないとでも思ったか !? 

  このあたりじゃあ 知らない者のいない

  村一番の 愛らしい 美少女の誉れ高い 

  純情可憐で いたいけな 女の子だと思って 

  侮りやがって ! ざけんなよ ~~~! 」


「 現実を見ましょうよ ねっ ねっ ねっ

  それは あまりにも 自意識過剰 自信過剰で

  世間知らずで 思い上がりも甚だしくて

  無情な現実が 見えていないと言うものですよ 」


「 なにぃぃぃ! あたいに 意見する気か ~!

  腐れオオカミの分際で 片腹痛いわ

  天井から ロープで吊るして

  サンドバッグの 代わりにして

  コンビネーションブローを 

  叩きこんでやるぞぉぉおお ~! 」


「 ひひいぃぃい  おっ お助けをぉぉ 、、、 」

  痛むアゴを押さえて

  のたうちまわり オオカミは許しを乞います 


「 絶滅危惧種だから 大目に見てやっていたのに

  おんどりゃあぁぁ 調子に乗りやがって !

  そうだ おばあさんは どうした あぁん ? 」


  少女は 詰問しました


「 クッ クロゼットに 縄で縛って 

  押し込めていますぅっぅっぅっ 」

「 何だ ? 食わなかったのかよ ? 」

「 アゴが痛くて 筋張った肉は 

  噛めないんですぅぅぅ シクシクシク

  命だけは お助けくださいぃぃぃ 」

「 ケッ ! だらしがねぇな

  張り合いがねぇぞ

  ポンコツオオカミめがよぉぉお ! 」

  そう言うと 少女は 

  床に這いつくばって 許しを乞うオオカミから

  視線を外し ケーキと 葡萄酒を拾いました
           
  オオカミに襲われた時 放り出してしまったからです


「 よかったわ ケーキも無事だし 

  葡萄酒の瓶も 割れていないと ♪ 」


  少女が オオカミに背を向けていると

  懲りないオオカミは 再び

  ヌラヌラと ヨダレを垂らした大口を開け

  背後から 襲いかかりました


「 スキあり ~~ 油断したな ~~♪ 

  やっぱり お子ちゃまだわい 

  オイラは あきらめが悪いのさ

  ケーキと 葡萄酒と一緒に 

  オイラの胃袋に 収まっちゃいなよぉ

  うひょひょひょ ~~~ ♪ 」
              

  嗚呼 少女は ついに

  オオカミの餌食になってしまうのでしょうか ?


      続 く





    ☆ 教訓 ☆

  中途半端はダメです

  トドメは きっちり刺しましょう