「 おぅ 八っあん いいとこで会った 」
「 やぁ くまさん どうしたい ? 」
「 なぁにね ちょいと
一杯やりに行くんだが、一緒にどうだい 」
「 そいつはいいね 少し遅いが
二人で新年会と洒落込もうか
ちょっくらちょいと ひっかけていこうぜ ♪ 」
「 さあ さあ 飲みねぇ
横丁の生まれだってな 」
「 そうよ くまさんも だろ 」
「 そうだ お互い横丁の 左利きだぁ 」
「 え ? おいらは 右利きだよ ? 」
「 そうじゃないんだ 酒飲みってことだぃ 」
「 大工は左手に ノミを持って仕事するだろ
だから 『 ノミの手 』『 飲み手 』
酒飲みは 左利き
ゴキュ ゴキュ ゴキュ ふぅ ~ 」
「 なるほどねぇ ~♪
私の 私の 彼は 左利き~♪
ガブ ガブ ガブ ! 」
「 古いねぇ 八っあん
その歌知ってる人は ビンテージものだな
なにせ 前世紀の歌だもの ~
ゴック ゴック ゴック ♪ 」
「 そうかい ?
おいらも 程よく熟成されたかな ?
ガブ ガブ ガブ ! 」
「 いや 酸っぱくなってるんじゃないかなぁ
ガバッ ガバッ ガバッ ! 」
「 くまさんだって もうポンコツだろぅよ
ゴボ ゴボ ゴボ ! 」
「 まぁ お互い 寄る年波には勝てねぇな 」
「 さぁ 飲みねぇ 飲みねぇ
横丁の 生まれだってなぁ ~ 」
「 おぅ 横丁の生まれよ グビグビグビ !
まぁ くまさんも 飲みねぇ 飲みねぇ 」
「 昔は 一斗枡 全部飲めたのに
今は 3~4升が やっとこさ
ゴック ゴック ゴック ぷっは ~♪
「 えぇ ?
そんなに 酒が弱くなったのかい ? 」
「 いや 財布の中身が 弱くなったのさ
ゴク ゴク ゴックン ! 」
「 頭は悪いし 顔も悪いし
貧乏で 金なし 甲斐性なし
まぁ 飲みねぇ 飲みねぇ
つまみはないけど 鼻でもつまみねぃ 」
「 まぁ お金は天下の回りものってね
ぐるぐる 回ってるのよ
オイラを 避けて通るけどね ウィ~ ♪
飲みねぇ 飲みねぇ 」
「 なんだか この飲み屋も
やけに ぐるぐる 回っているなぁ ~ 」
「 八っあん そいつは飲み過ぎってぇもんだなぁ
う い っ ぷ ぅ ~! 」
「 くまさんこそ 飲み過ぎだろうょ
そのぉ証拠にぃ くまさんのぉ 顔もぉ
ひ っ く !
うわっはっはっは ♪
ぐる ぐる と
ま わ っ て る ~ 」
「 ばかなことをぉ いっちゃぁ~いけねぇ
八っあんの 顔なんか
2つにも なって
ぐ ~ る ぐ ~ る と くらぁ 」
「 お客さん 飲み過ぎじゃないですかぁ ?
そろそろ看板です お代の方を 、、 」
「 うわぁ!
店主の顔が キングギドラみたいに
三つも あるぅぅうう ~! 」
「 ぎゃぁぁ~! 逃げろぉぉお~! 」
「 あぁあ ! 飲み逃げだ ~! まてぇえ !
店の酒 全部飲みやがって
この ウワバミどもが ~! 」
教訓 酒は飲んでも 飲まれるな。