、
「 お前らの望みは 叶ったぞ !
お前らは、わしの心に勝ったのだ。
信実とは、決して空虚な妄想ではなかったのだ。
どうか、わしも仲間に入れてほしいのだ、
お前らの仲間の一人にしてほしいのだ ! 」
大群衆が その言葉を聞きました 。
「 バンザイ ! 王様 バンザイ ! 」
と 歓声が上がりました 、、、、、。
で も
そ れ は
刑吏や 護衛の近衛兵だけでした。
ころっと心変わりした王を
無条件に称える事が出来るほど、
今まで狂気の王の圧政に虐げられていた民衆は
そんな甘っちょろくはありません、
どっと大群衆の間に 怒りの声が起りました。
「 なんだ それ ~! 」
「 救世主様を 磔の刑にしないのかよ ! 」
「 救世主様に 民衆の原罪を背負わせるんだろうが ! 」
「 期待を裏切るなよ ! 」
「 朝から並んで 場所取りしたんだぞ ~!
せっかく楽しみにしていたのにぃ ~ 」
「 救世主様の 悲劇の処刑を見て
涙流せる カタルシスを期待してたのに ~ 」
熱狂していた大群衆の頭の中は
残虐に惨殺されるメロスの処刑も
織り込み済みでした。
「 王様 都合良すぎるだろう ~! 」
「 それで 今までの悪行が
許されるとでも思ってんのかよ ~! 」
「 敵対する権威者が 簡単に仲間になって
どう オチをつけるんだよ ~ ! 」
「 子供だましかよ ~! 世の中舐めてんのか ~!
いい大人はダマされないぞ ~!
ざけんなよ ~! 」
「 こんなんで 幕引きにするつもりかぁ ~? 」
「 陳腐すぎる ~! 」
「 ご都合主義だ ~! 」
「 わざわざ集まった観客を納得させろ ~! 」
「 自作自演乙 ~! 」
「 もともとは 残虐な王様のせいだろ~が ! 」
「 王様も はりつけろ ~! 」
「 そうだ 王を高く吊るせ ~! 」
「 王に むくいを ~! 」
「 思い知らせてやれ ~! 」
「 増税 反対 ~! 」
「 共謀罪 反対 ~! 」
「 年金は どうなるんだ ~! 」
「 王様 辞めろ ~! 」
群衆の 不満の声が上がりました
「 何を言うのだ ~!
下賎の者たちめ ~! こういう者たちに
負けるわけにはいかなぁぁあああ~い ! 」
民衆の怒号を聞き 王は指差し 怒鳴ります。
時の権力者が 極東の島国の アキバという所で
野次られて 怒ったような反応をしました。
「 その下賎の者から 徴税して、
食っているのは どこのどいつだ ~! 」
群衆の不満の声は やみません。
「 下賎の者にも 感情があるんだ ~! 」
「 下賎の 我々の 怒りを知れ ~! 」
「 そうだ ~! そうだ ~! 」
「 そうでゲス 国会サボって酒飲み放題の
極東の島国の議員も お好きなんでゲス ! 」
今は禁止されてしまいましたが、
エッチな大人の お店を経営して
男の財布を軽くして なおかつ
女性を食い物にする ゲスの極みの
『 女衒 ( ぜげん ) 』 の者も同調します。
「 う~む いかん いかん。
危うく 簡単に心変わりしそうになったのだ !
あぁぁ わしともあろう者が、
まんまと 群集心理に巻き込まれたわい、
いかん ! いかん !
王としての権威が 損なわれるところだった。
わしが 愚かであったわ ! 」
ディオニス王は、また 心変わりしました。
「 でっ でっ オイラ どうなるのかなぁぁ ? 」
セリヌンティウスの打ったボディブローが効いて
足腰がヨレヨレになり
その場から動けないメロスの不安は
今だ ぜんぜん ちっとも 解消されません。
セリヌンティウスは というと
とっとと磔台から逃げてしまいました。
「 王は卑劣漢の変節漢の、トンチンカンだ ~! 」
王様を罵倒する声が飛びます。
「 うむむ ! 許せん !
やはり お前たちは信用できないのだ ~! 」
王は 叫びます。
「 ぶ ~! ぶ ~! ぶ ~!
ますます、怒号は大きくなるばかりです。
「 この 愚民どもめ ~!
大人しく、お約束の 収まりのいい
感動的な幕切れにしておけば 今回、大団円で
『 ちゃん ちゃん ♪ 』 と 終わったものを。
ダラダラ長い く~だらない お話だって
書くのは す~んごく時間が かかるんだぞ !
そこんとこの苦労を わかってんのか ~!
まだ、長引かせるつもりなのかぁぁあ ~! 」
「 うるせいやい ! 」
「 今までの悪行 悪政の始末をどう責任取るんだ ~! 」
「 自分が 磔刑になればいいんだぁぁああ ~! 」
「 お の れ ぇ ぇ え え ~ !
お前たちは 卑しく愚かしい 下民のくせに、
話の流れの根本的な 論理矛盾に気づきおったな !
最高権力者を非難し あまつさえ牙を向くとは
この バカものどもめがぁぁあああ ~~! 」
王は 真っ赤な顔をして 癇癪を起こします。
「 国民を バカ扱いするな ~! 」
「 王様なんて威張っても しょせん世襲じゃないか ! 」
「 極東の島国の 世襲三代目のエライさんなんか
文字も ろくに読めない おバカだぞ ~! 」
「 民主的な選挙を させろ ~! 」
「 ぶぅぅぅうう ~~ いんぐぅうう ~~!! 」
群衆の怒号は 地面を揺るがすほどになりました。
「 うぬぬ、こうなったら ここに居る者全て
ぶちぶちぶちと ぶち殺してやるのだ ~!
兵士たちよ 刑吏たちよ
かまわぬ 皆殺しにせよ ~! 」
王は 殺戮の命令を下しました。
近衛兵と刑吏は 槍や 剣を振りかざし、
群衆に向かいました。
刑場は、パニックに襲われました。
皆、殺されてはたまりません、群衆は逃げ惑います。
兵士、刑吏たちが動くと、
人の群れは 真っ二つに分かれて行きます。
「 おぉぉお ~!
十戒で モーゼが 群衆を引き連れて海を渡る時の
海が割れるシーン みたいなのだ、
愉快 愉快 うはははは ♪ 」
逃げ遅れ 転倒した幼子を抱きしめた母親を、
兵士が槍で串刺しにしようと 狙いを付けました。
「 きゃぁぁぁああ ~! やめてぇぇぇえ ~! 」
「 王様の 御命令なんで 逆らえないんだ 」
「 せめて 子供の命だけは
助けてぇぇぇえええ ~! 」
「 うわぁぁぁぁああ ~ん ! 」
幼子も 泣き叫びます。
「 皆殺しの御命令だ
職務怠慢で懲罰を受けたら困るんだ、
俺にも生活がある 宮仕えも辛いのよ、
たとえ悪いこととわかっていても
権力者には おもねらないといけないんだ、
国民にバカにされても 出世できるんだよ、
極東の島国の役人も 国会でテキト~な発言を繰り返し
権力者を守って でんでんと出世したそうじゃないか、
悪りぃね 悪りぃね ワリ~ネ・デ~トリッヒ 」
「 いやぁぁああ ~!
誰かぁぁ ~ たぁすけてぇぇぇええ ~! 」
「 母子一緒に ぶすりと串刺しにして
一発で仕留めて楽にしてやるから
暴れるなよ ! 」
「 き ゃ ぁ ぁ ぁ あ あ ~ ! 」
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