歩けメロス 16 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい


「 お前らの望みは 叶ったぞ !

  お前らは、わしの心に勝ったのだ。

  信実とは、決して空虚な妄想ではなかったのだ。

  どうか、わしも仲間に入れてほしいのだ、

  お前らの仲間の一人にしてほしいのだ ! 」


  大群衆が その言葉を聞きました 。


「 バンザイ !  王様  バンザイ ! 」


  と 歓声が上がりました 、、、、、。













   で も 

   そ れ は  



  刑吏や 護衛の近衛兵だけでした。

 
  ころっと心変わりした王を

  無条件に称える事が出来るほど、 

  今まで狂気の王の圧政に虐げられていた民衆は

  そんな甘っちょろくはありません、

  どっと大群衆の間に 怒りの声が起りました。





「 なんだ それ ~! 」


「 救世主様を 磔の刑にしないのかよ ! 」


「 救世主様に 民衆の原罪を背負わせるんだろうが ! 」


「 期待を裏切るなよ ! 」


「 朝から並んで 場所取りしたんだぞ ~!

  せっかく楽しみにしていたのにぃ ~ 」


「 救世主様の 悲劇の処刑を見て

  涙流せる カタルシスを期待してたのに ~ 」


  熱狂していた大群衆の頭の中は 

  残虐に惨殺されるメロスの処刑も 

  織り込み済みでした。


「 王様 都合良すぎるだろう ~! 」


「 それで 今までの悪行が

  許されるとでも思ってんのかよ ~! 」


「 敵対する権威者が 簡単に仲間になって

  どう オチをつけるんだよ ~ ! 」


「 子供だましかよ ~! 世の中舐めてんのか ~!

  いい大人はダマされないぞ ~!

  ざけんなよ ~! 」


「 こんなんで 幕引きにするつもりかぁ ~? 」


「 陳腐すぎる ~! 」


「 ご都合主義だ ~! 」


「 わざわざ集まった観客を納得させろ ~! 」


「 自作自演乙 ~! 」


「 もともとは 残虐な王様のせいだろ~が ! 」


「 王様も はりつけろ ~! 」


「 そうだ 王を高く吊るせ ~! 」


「 王に むくいを ~! 」


「 思い知らせてやれ ~! 」

「 増税 反対 ~! 」

「 共謀罪 反対 ~! 」

「 年金は どうなるんだ ~! 」


「 王様 辞めろ ~! 」


  群衆の 不満の声が上がりました

  
「 何を言うのだ ~! 

  下賎の者たちめ ~! こういう者たちに 

  負けるわけにはいかなぁぁあああ~い ! 」


  民衆の怒号を聞き 王は指差し 怒鳴ります。

  時の権力者が 極東の島国の アキバという所で

  野次られて 怒ったような反応をしました。


「 その下賎の者から 徴税して、 

  食っているのは どこのどいつだ ~! 」

  群衆の不満の声は やみません。


「 下賎の者にも 感情があるんだ ~! 」


「 下賎の 我々の 怒りを知れ ~! 」


「 そうだ ~! そうだ ~! 」


「 そうでゲス 国会サボって酒飲み放題の

  極東の島国の議員も お好きなんでゲス ! 」


  今は禁止されてしまいましたが、

  エッチな大人の お店を経営して
 
  男の財布を軽くして なおかつ

  女性を食い物にする ゲスの極みの

『 女衒 ( ぜげん ) 』 の者も同調します。


「 う~む いかん いかん。

  危うく 簡単に心変わりしそうになったのだ !

  あぁぁ わしともあろう者が、 

  まんまと 群集心理に巻き込まれたわい、

  いかん ! いかん !

  王としての権威が 損なわれるところだった。

  わしが 愚かであったわ ! 」


  ディオニス王は、また 心変わりしました。


「 でっ でっ オイラ どうなるのかなぁぁ ? 」

  セリヌンティウスの打ったボディブローが効いて 

  足腰がヨレヨレになり

  その場から動けないメロスの不安は

  今だ ぜんぜん ちっとも 解消されません。

  セリヌンティウスは というと

  とっとと磔台から逃げてしまいました。


「 王は卑劣漢の変節漢の、トンチンカンだ ~! 」

  王様を罵倒する声が飛びます。


「 うむむ ! 許せん !

  やはり お前たちは信用できないのだ ~! 」

  王は 叫びます。


「 ぶ ~! ぶ ~! ぶ ~! 

  ますます、怒号は大きくなるばかりです。


「 この 愚民どもめ ~! 

  大人しく、お約束の 収まりのいい

  感動的な幕切れにしておけば 今回、大団円で 

『 ちゃん ちゃん ♪ 』 と 終わったものを。

  ダラダラ長い く~だらない お話だって

  書くのは す~んごく時間が かかるんだぞ !

  そこんとこの苦労を わかってんのか ~!

  まだ、長引かせるつもりなのかぁぁあ ~! 」


「 うるせいやい ! 」


「 今までの悪行 悪政の始末をどう責任取るんだ ~! 」


「 自分が 磔刑になればいいんだぁぁああ ~! 」


  
「 お の れ ぇ ぇ え え ~ !

  お前たちは 卑しく愚かしい 下民のくせに、 

  話の流れの根本的な 論理矛盾に気づきおったな !

  最高権力者を非難し あまつさえ牙を向くとは

  この バカものどもめがぁぁあああ ~~! 」


  王は 真っ赤な顔をして 癇癪を起こします。


「 国民を バカ扱いするな ~! 」


「 王様なんて威張っても しょせん世襲じゃないか ! 」


「 極東の島国の 世襲三代目のエライさんなんか 

  文字も ろくに読めない おバカだぞ ~! 」


「 民主的な選挙を させろ ~! 」


「 ぶぅぅぅうう ~~ いんぐぅうう ~~!! 」


  群衆の怒号は 地面を揺るがすほどになりました。


「 うぬぬ、こうなったら ここに居る者全て

  ぶちぶちぶちと ぶち殺してやるのだ ~!

  兵士たちよ 刑吏たちよ

 かまわぬ 皆殺しにせよ ~! 」

  王は 殺戮の命令を下しました。


  近衛兵と刑吏は 槍や 剣を振りかざし、

  群衆に向かいました。

  刑場は、パニックに襲われました。

  皆、殺されてはたまりません、群衆は逃げ惑います。

  兵士、刑吏たちが動くと、 

  人の群れは 真っ二つに分かれて行きます。


「 おぉぉお ~!

  十戒で モーゼが 群衆を引き連れて海を渡る時の

  海が割れるシーン みたいなのだ、

  愉快 愉快 うはははは ♪ 」


  逃げ遅れ 転倒した幼子を抱きしめた母親を、 

  兵士が槍で串刺しにしようと 狙いを付けました。


「 きゃぁぁぁああ ~! やめてぇぇぇえ ~! 」


「 王様の 御命令なんで 逆らえないんだ 」


「 せめて 子供の命だけは

  助けてぇぇぇえええ ~! 」


「 うわぁぁぁぁああ ~ん ! 」

  幼子も 泣き叫びます。


「 皆殺しの御命令だ 

  職務怠慢で懲罰を受けたら困るんだ、

  俺にも生活がある 宮仕えも辛いのよ、

  たとえ悪いこととわかっていても

  権力者には おもねらないといけないんだ、

  国民にバカにされても 出世できるんだよ、

  極東の島国の役人も 国会でテキト~な発言を繰り返し

  権力者を守って でんでんと出世したそうじゃないか、

  悪りぃね 悪りぃね ワリ~ネ・デ~トリッヒ 」


「 いやぁぁああ ~!

  誰かぁぁ ~ たぁすけてぇぇぇええ ~! 」


「 母子一緒に ぶすりと串刺しにして

  一発で仕留めて楽にしてやるから

  暴れるなよ ! 」


「 き ゃ ぁ ぁ ぁ あ あ ~ ! 」


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