Dream
<< ぷ つ ん ! >>
「 あ~ぁぁ ! 釣り糸 切れた ~!
今日は 全然 魚 釣れないや !
だめだぁ ! もう帰ろうっと 」
釣り人は 少し悲しそうな顔をして
しょんぼりと 帰って行きました。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
きこりが 斧で 湖のほとりの木を
<<< コン ! コン ! コン ! >>>
と 切っていました。
「 あ っ ! 」
<< じ ゃ ぽ ん ! >>
斧は 木こりの手を離れ
放物線を描き 湖に落ちてしまいました。
「 あぁ 斧が無いと仕事が出来ない どうしよう ~ 」
すると 湖の中から 眩く光り輝く女神様が
キラキラと光る斧を持ち 現れて言いました。
「 お前の落とした斧は この金の斧ですか ? 」
木こりは 少し考えてから言いました。
「 いいえ 違います 」
「 では この銀の斧ですか ? 」
「 いいえ それも違います 」
「 では 鉄の斧ですか ? 」
「 はい そのとおりです 」
「 お前は 正直者ですね 」
「 はい それだけが取り柄です なんちゃって ♪ 」
「 ならば 御褒美に これをあげましょう 」
( らっき ~ ♪
金と銀の斧が もらえるのかな ? )
木こりは 期待しました、
近頃 そんな 美味しい思いをした
木こり仲間の噂を 聞いていたのです。
「 では 受け取りなさい 」
「 ははっ ありがたき幸せ ♪ 」
「 ごぼごぼごぼ 。。。。。。! 」
「 はい、溺れかかった オオカミを どうぞ 」
「 えぇぇ !
そんな 物騒なものは いらないですぅ 」
「 だめです ! 持ち帰りなさい ! 」
「 なぜですか ? そんな いじわるしないで 」
「 よ~く 私を 見なさい ! 」
「 よ~く 見るぅ ? 」
「 あなたの 落とした斧が 私の頭に
ザックリと 刺さっているでしょう
その 報いです ~~! 」
「 う わ っ ! グロい !
頭が割れて脳漿が飛び出している、ゲロゲロ ! 」
「 グロいとは 何ですか !
あなたのせいでしょうが ! 」
狼は 湖の底から 女神様によって
引き摺り出されました。
「 薄汚い よれよれ ぼろぼろのオオカミよ
溺れたとこを 助けてやったんだから
あの木こりを 噛んでおやり ! 」
「 おぉぉ 助かったぁぁあ ~!
げぼげぼ 。。。。ぴゅ ~!
おぇぇええ ~ げろげろ ゴロゴロ ! 」
狼は しこたま飲んだ水と共に
胃に詰められた石を 吐き出しました
「 うわぁ オオカミだ ~!
ひぇぇぇ ~~! たすけて ~~! 」
溺れかかっていた 狼は
朦朧とした意識で 怒りに任せ、
木こりを 追いかけました。
「 ちきしょう !
こんなに 何度も 何度も
ひどい目に合わせやがって ~!!
世間を呪ってやる、恨んでやる !
誰でいいから 噛み付いてやる !
がるるるるる ~~! 」
木こりは 必死に 逃げて行きました、
狼は それを追いかけて行きました。
木こりは 村にたどり着き 叫びました。
「 ひぃぃいい !
オオカミが 出たぞぉぉぉおおお ~~~! 」
そこは 以前 嘘つき狼少年が
騒ぎを 起こした村でした。
きっと 狼の苦難の日々は
まだまだ 続くのでしょう。
めでたし めでたし。
「 ぎゃぁぁぁ ~ おぉぉおおお ~~~~ん ! 」
おしまい
「 人生はクローズアップで見れば悲劇
ロングショットで見れば喜劇 」
「 Life is a tragedy when seen in close-up,
but a comedy in long-shot. 」
チャーリー・チャップリン