最終話 オオカミのブルース 20 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい


             Dream


<<  ぷ つ ん ! >>

「 あ~ぁぁ ! 釣り糸 切れた ~!

  今日は 全然 魚 釣れないや !

  だめだぁ ! もう帰ろうっと 」


  釣り人は 少し悲しそうな顔をして

  しょんぼりと 帰って行きました。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


  きこりが 斧で 湖のほとりの木を

 <<< コン ! コン ! コン ! >>>

  と 切っていました。


「 あ っ ! 」

<<  じ ゃ ぽ ん ! >>



           

  斧は 木こりの手を離れ 

  放物線を描き 湖に落ちてしまいました。

「 あぁ 斧が無いと仕事が出来ない どうしよう ~ 」


  すると 湖の中から 眩く光り輝く女神様が 

  キラキラと光る斧を持ち 現れて言いました。

「 お前の落とした斧は この金の斧ですか ? 」

  木こりは 少し考えてから言いました。

「 いいえ 違います 」

「 では この銀の斧ですか ? 」

「 いいえ それも違います 」

「 では 鉄の斧ですか ? 」

「 はい そのとおりです 」

「 お前は 正直者ですね 」

「 はい それだけが取り柄です なんちゃって ♪ 」

「 ならば 御褒美に これをあげましょう 」

( らっき ~ ♪

  金と銀の斧が もらえるのかな ? )

  木こりは 期待しました、

  近頃 そんな 美味しい思いをした

  木こり仲間の噂を 聞いていたのです。


「 では 受け取りなさい 」

「 ははっ ありがたき幸せ ♪ 」

「 ごぼごぼごぼ 。。。。。。! 」

「 はい、溺れかかった オオカミを どうぞ 」

「 えぇぇ ! 

  そんな 物騒なものは いらないですぅ 」

「 だめです ! 持ち帰りなさい ! 」

「 なぜですか ? そんな いじわるしないで  」

「 よ~く 私を 見なさい ! 」

「 よ~く 見るぅ ? 」

「 あなたの 落とした斧が 私の頭に

  ザックリと 刺さっているでしょう 

  その 報いです ~~! 」


「 う わ っ ! グロい ! 

  頭が割れて脳漿が飛び出している、ゲロゲロ ! 」

「 グロいとは 何ですか !

  あなたのせいでしょうが ! 」

  狼は 湖の底から 女神様によって 

  引き摺り出されました。


「 薄汚い よれよれ ぼろぼろのオオカミよ

  溺れたとこを 助けてやったんだから 

  あの木こりを 噛んでおやり ! 」


「 おぉぉ 助かったぁぁあ ~!

  げぼげぼ 。。。。ぴゅ ~!

  おぇぇええ ~ げろげろ ゴロゴロ ! 」
  
  狼は しこたま飲んだ水と共に

  胃に詰められた石を 吐き出しました


「 うわぁ オオカミだ ~! 

  ひぇぇぇ ~~! たすけて ~~! 」

  溺れかかっていた 狼は

  朦朧とした意識で 怒りに任せ、

  木こりを 追いかけました。


「 ちきしょう !

  こんなに 何度も 何度も 

  ひどい目に合わせやがって ~!!

  世間を呪ってやる、恨んでやる !

  誰でいいから 噛み付いてやる !

  がるるるるる ~~! 」


  木こりは 必死に 逃げて行きました、

  狼は それを追いかけて行きました。


  木こりは 村にたどり着き 叫びました。

「 ひぃぃいい !

  オオカミが 出たぞぉぉぉおおお ~~~! 」


  そこは 以前 嘘つき狼少年が

  騒ぎを 起こした村でした。

  きっと 狼の苦難の日々は

  まだまだ 続くのでしょう。

  めでたし めでたし。

  
「 ぎゃぁぁぁ ~ おぉぉおおお ~~~~ん ! 」






        おしまい



「 人生はクローズアップで見れば悲劇

  ロングショットで見れば喜劇 」

「 Life is a tragedy when seen in close-up,

  but a comedy in long-shot. 」
            

   チャーリー・チャップリン