偽作 アリババ 6 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい




「 わしらから お宝を盗む奴は許せない、

  必ず、取り返すのだ 」


「 首切り役人が ウロウロしてましたよ 」


「 どうやります ? 」


「 変装して あの家に潜り込む、

  盗んだものは返してもらおう 」


「 なるほど、頭目は賢い 」


「 そうだ そうだ それがいい 」


「 首切り役人たちと やりあうのは避けたほうが良い 」


  盗賊は 意外と理性的だったりするのです。


「 具体的に どうやるんですか ? 」

 
「 わしが 油商人に化ける、

  そして お前らは ロバの鞍につけた油容器に

  入り込み 家の中に進入するという算段だ 」


「 さすが 頭目 頭がいい 」


「 でも 油壺は どこにあるんですか ? 」


「 そう言えば そうだな 」


「 どうしますぅ 」


「 しょうがない、総出で調達してくるんだ 」


「 べつに 油壺作戦に こだわらなくても 、、、 」


「 黙れ ! これは お約束なんだよ 」




。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。





  盗賊たちは それぞれ 油壷を調達に行きました。

  全部揃うまでは 日にちがかかりました。

  頭目が 20頭のロバを連れた 旅の油商人に変装し、

  ロバの背中に2つずつ積んだ大きな油壺の中に

  一人ずつ 39人の手下たちが隠れました、

 
 
「 足から そろりと ゆっくり入るんだ 」

「 よっこらしょ 」

「 膝を抱えて 座るんだ 」

「 うぅぅ なんて窮屈なんだ 」

「 そもそも 油壺は 人が入るように作ってないから 」

「 うぅ 体育座りは きついよぉ ~ 」

「 うるさいぞ ! 上から蓋をするからな 」

「 うわぁぁ ~ 」

「 暗いよ ~ 」

「 狭いよ ~ 」

「 怖いよう ~ 」

「 俺は 閉所恐怖症だぁ ~! 」


 一つ半端な壺には 本物の油が入れてありました。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



「 なっかなか盗賊たち 来ないなぁ ~、

  カシムも戻らないし、

  うん、きっと カシムは即座に

  盗賊たちに殺されてしまったんだろう、

  バラバラに 切り刻まれてしまったんだろうなぁ ( 原作 )

  強欲の兄でも 死ねば寂しいかと思ったが、

  案外、そうでもないなぁ ~

  もう、役人たちの警護もいらないだろう、

  あの連中の日当は バカ高いからなぁ 」 

  アリババは 警護態勢をやめてしまいました。


「 もう少し 用心したほうが良いのではないですか ? 」

  この家の女性使用人の モルジアナは言いました。


「 もぅ いいんじゃね、

  おそらく、カシムは自分の家のことを

  しゃべる間もなく 殺されてしまったのさ 」


「 で も 、、、 」


「 大丈夫だって、

  そうじゃなきゃ 盗賊は速攻で来るはずだもの。

  おいら もう、無駄金を使うのは嫌だよ ~  」


  ドケチで貧乏根性むきだしの アリババなのでした。

  


       続 く