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「 わしらから お宝を盗む奴は許せない、
必ず、取り返すのだ 」
「 首切り役人が ウロウロしてましたよ 」
「 どうやります ? 」
「 変装して あの家に潜り込む、
盗んだものは返してもらおう 」
「 なるほど、頭目は賢い 」
「 そうだ そうだ それがいい 」
「 首切り役人たちと やりあうのは避けたほうが良い 」
盗賊は 意外と理性的だったりするのです。
「 具体的に どうやるんですか ? 」
「 わしが 油商人に化ける、
そして お前らは ロバの鞍につけた油容器に
入り込み 家の中に進入するという算段だ 」
「 さすが 頭目 頭がいい 」
「 でも 油壺は どこにあるんですか ? 」
「 そう言えば そうだな 」
「 どうしますぅ 」
「 しょうがない、総出で調達してくるんだ 」
「 べつに 油壺作戦に こだわらなくても 、、、 」
「 黙れ ! これは お約束なんだよ 」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
盗賊たちは それぞれ 油壷を調達に行きました。
全部揃うまでは 日にちがかかりました。
頭目が 20頭のロバを連れた 旅の油商人に変装し、
ロバの背中に2つずつ積んだ大きな油壺の中に
一人ずつ 39人の手下たちが隠れました、
「 足から そろりと ゆっくり入るんだ 」
「 よっこらしょ 」
「 膝を抱えて 座るんだ 」
「 うぅぅ なんて窮屈なんだ 」
「 そもそも 油壺は 人が入るように作ってないから 」
「 うぅ 体育座りは きついよぉ ~ 」
「 うるさいぞ ! 上から蓋をするからな 」
「 うわぁぁ ~ 」
「 暗いよ ~ 」
「 狭いよ ~ 」
「 怖いよう ~ 」
「 俺は 閉所恐怖症だぁ ~! 」
一つ半端な壺には 本物の油が入れてありました。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「 なっかなか盗賊たち 来ないなぁ ~、
カシムも戻らないし、
うん、きっと カシムは即座に
盗賊たちに殺されてしまったんだろう、
バラバラに 切り刻まれてしまったんだろうなぁ ( 原作 )
強欲の兄でも 死ねば寂しいかと思ったが、
案外、そうでもないなぁ ~
もう、役人たちの警護もいらないだろう、
あの連中の日当は バカ高いからなぁ 」
アリババは 警護態勢をやめてしまいました。
「 もう少し 用心したほうが良いのではないですか ? 」
この家の女性使用人の モルジアナは言いました。
「 もぅ いいんじゃね、
おそらく、カシムは自分の家のことを
しゃべる間もなく 殺されてしまったのさ 」
「 で も 、、、 」
「 大丈夫だって、
そうじゃなきゃ 盗賊は速攻で来るはずだもの。
おいら もう、無駄金を使うのは嫌だよ ~ 」
ドケチで貧乏根性むきだしの アリババなのでした。
続 く