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王様と王妃様は音楽が好きで
宮廷では音楽会が度々開かれます。
フルオーケストラの楽団が 招かれました。
ガリバ~もテーブルの上に箱を置いてもらって聞いたのですが、
なにしろ小さな耳には あまりにも大音響で、
耳の鼓膜の 許容範囲を凌駕し 何もわからないのです。
ホーン楽器が、 << ブオ~ン ! >>
「 うひゃぁぁあ ~! 音圧が スゴすぎる ~! 」
コントラバスの 低周波は
<< ず ~ ん ず ~ ん ず ~ ん ♪ >>
「 胃袋が ぶん殴られてるようだよぉぉお ~!
ほとんど 衝撃波のようだよ ~! 」
ティンパニーが、
<< ド オ ~ ン !
ド オ ~ ン !
ド オ ~ ン ! >>
「 きゃぁぁああ ~ ! まるで地震だよぉぉお ~ ! 」
打撃音が ガリバ~の体をガンガン揺すります。
「 王妃様ぁ ~
このままでは 体がもたないよぉぉおお ~
はぁ はぁ ぜい ぜい ! 」
「 まぁ こんなに素敵な楽曲なのにぃ ~♪
ガリバ~ったら 音楽の素養を身につけなきゃダメよ ~♫ 」
「 ガリバ~は 繊細じゃのう
きっと 雷にもビビるタイプじゃろう うほほほほ ♪ 」
そこでガリバ~は 部屋の一番遠いところに箱を置いてもらい、
扉も窓も しっかり閉め、カーテンをおろし
ベッドに突っ伏し 布団をかぶりました、
それで、かろうじて 音楽として聞けるのでした。
「 音楽が あんまり 楽しくないよ ~!
音 ( おん ) が 苦 ( く ) だよ ~! 」
続 く