偽作 不思議の国のアリス 22 | 藤花のブログ 詩と

藤花のブログ 詩と

この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

 




  三月うさぎの家の前の木立の下には、

  大きなテーブルが置いてありました。

  そこで 三月うさぎと帽子屋がティータイムを楽しんでいます。

  ヤマネが椅子で、ぐっすり寝てました。

  二人はヤマネを クッション代わりに使って、

  肘をヤマネに乗せ、くつろぎ会話しています。


「 ヤマネにとって いい迷惑よね、

  でも、寝てるから気がつかないか

  ヤマネ 『 マ 』 がつくのに 

  マヌケ ね、ふふふ ♪ 」

  と アリス。


  広いテーブルでしたが、三月うさぎと 帽子屋と ヤマネは

  隅の方に かたまっていました。


「 みなさん ごきげんよう ♪ 」

  アリスが挨拶しました。


「 君は 誰 ? 」


「 あたす アリス で ありんす 」


「 何者だか知らないが 満員だよ、満員 ! 」 


  アリスを見て、3月うさぎと帽子屋が叫びました。


「 空席が あるじゃないのよ どこが満員よ ! 」


「 満員 ! 満員 ! 」


「 いけず ! 

  場所は空いているじゃないのよ ! 

  それじゃまるで どっかの有名IT企業が 

  派遣社員に食事時 自社の食堂を使わせず、 

  他社の食堂を利用しろと言ってるようなものだわ、 

  羅苦点のミッキーも えげつないわね あくまで噂だけどね、

  非難されていたから今はどうなったかしら ? 」


  と アリスは怒って、テーブルの端の肘掛け椅子に座りました。


「 よっこいしょぅいち どっこいしょうぺんはうわぁ~  」

  
  3月うさぎと帽子屋は やれやれという表情をしましたが、

  仕方なさそうに 三月うさぎが言いました。


「 ワインは いかがですか ? 」


  アリスはテーブル中を見まわしましたが、

  そこには紅茶しかありません。

「 ワインなんか 見当たらないじゃない ? 」

  と アリス。


「 おや ? 見えないかい ? 」


「 えぇ 見えないわ 変よね ? 」


「 そりゃぁ 無理もない、

  なぜなら ここに ワインは存在していないからね 」

  と 三月うさぎ。


「 存在しないはずのワインを勧めるなんて

  失礼しちゃうわ ぷんぷん ! 」

  と アリス。


「 だって 君は未成人だろう ? 」


「 うるさい ケチケチせず 飲ませてよ ! 」


「 やれやれ 今どきの娘は 倫理観が欠如してるなぁ。

  でもね ワインについては 私と君と共通の認識がある、

  君はワインについて知っているようだ、

  ワインの銘柄についても会話が可能だろう、

  だから ワインそのものを否定することは出来ないのだよ 」


「 何言ってんだか わけわかんねえしぃ ~ ! 」

  と アリス。


「 ところで お嬢さん 招待状はお持ちかな ? 」


「 いいえ 持っていないわ 」


「 何と ! 招待状なしに来て 勝手に椅子に座って、

  君こそ失礼だ、礼儀知らずの マナー違反だよ 」

  と 三月うさぎ。


「 この お茶会に招待状がいるなんて 知らなかったからよ 」

  と アリス。


「 それは われわれの 常識的マナーなんだけどな 」


「 でも 三人分より もっとたくさんの

  ティーカップが用意がしてあるじゃない ? 」

  と アリス。


「 それと マナーは関係ないね 」


「 だいたい まともじゃないと言われる三月うさぎが

  なんで 普通にマナーを言うのよ !

  ケチくさいわよ ! 」

  と アリス。


「 我々は マナーを重んじるんだ 」


「 エゲレス紳士だからね 」


「 身だしなみも大切だ 」


「 君 髪の毛、切ったほうがいいよ、
 
  ボサボサだよ 」

  帽子屋はアリスを ものめずらしそうに、

  ジロジロと見て言いました。


「 このゆるふわのヘアスタイルが気に入っているのよ、

  人のこと、とやかく言わないで ! 」

  とアリスは、ムッとしながら言いました。


   帽子屋は、反論されたので目玉を見開きました。


「 レディの容姿に関することに意見するのは 

  凄く失礼なのよ ! マナー違反よ ! 」

  と アリス。


「 う~ん この娘は まともじゃありませんなぁ。

  無作法で 図々しくて 喚き散らしてねぇ 」


「 ほんと非常識な娘ですなぁ やれやれ 」


「 うるさいわ !

  やっぱり あんたら まともじゃないわよ ! 」

  イラッとして 怒鳴るアリスなのでした。



      続 く