三月うさぎの家の前の木立の下には、
大きなテーブルが置いてありました。
そこで 三月うさぎと帽子屋がティータイムを楽しんでいます。
ヤマネが椅子で、ぐっすり寝てました。
二人はヤマネを クッション代わりに使って、
肘をヤマネに乗せ、くつろぎ会話しています。
「 ヤマネにとって いい迷惑よね、
でも、寝てるから気がつかないか
ヤマネ 『 マ 』 がつくのに
マヌケ ね、ふふふ ♪ 」
と アリス。
広いテーブルでしたが、三月うさぎと 帽子屋と ヤマネは
隅の方に かたまっていました。
「 みなさん ごきげんよう ♪ 」
アリスが挨拶しました。
「 君は 誰 ? 」
「 あたす アリス で ありんす 」
「 何者だか知らないが 満員だよ、満員 ! 」
アリスを見て、3月うさぎと帽子屋が叫びました。
「 空席が あるじゃないのよ どこが満員よ ! 」
「 満員 ! 満員 ! 」
「 いけず !
場所は空いているじゃないのよ !
それじゃまるで どっかの有名IT企業が
派遣社員に食事時 自社の食堂を使わせず、
他社の食堂を利用しろと言ってるようなものだわ、
羅苦点のミッキーも えげつないわね あくまで噂だけどね、
非難されていたから今はどうなったかしら ? 」
と アリスは怒って、テーブルの端の肘掛け椅子に座りました。
「 よっこいしょぅいち どっこいしょうぺんはうわぁ~ 」
3月うさぎと帽子屋は やれやれという表情をしましたが、
仕方なさそうに 三月うさぎが言いました。
「 ワインは いかがですか ? 」
アリスはテーブル中を見まわしましたが、
そこには紅茶しかありません。
「 ワインなんか 見当たらないじゃない ? 」
と アリス。
「 おや ? 見えないかい ? 」
「 えぇ 見えないわ 変よね ? 」
「 そりゃぁ 無理もない、
なぜなら ここに ワインは存在していないからね 」
と 三月うさぎ。
「 存在しないはずのワインを勧めるなんて
失礼しちゃうわ ぷんぷん ! 」
と アリス。
「 だって 君は未成人だろう ? 」
「 うるさい ケチケチせず 飲ませてよ ! 」
「 やれやれ 今どきの娘は 倫理観が欠如してるなぁ。
でもね ワインについては 私と君と共通の認識がある、
君はワインについて知っているようだ、
ワインの銘柄についても会話が可能だろう、
だから ワインそのものを否定することは出来ないのだよ 」
「 何言ってんだか わけわかんねえしぃ ~ ! 」
と アリス。
「 ところで お嬢さん 招待状はお持ちかな ? 」
「 いいえ 持っていないわ 」
「 何と ! 招待状なしに来て 勝手に椅子に座って、
君こそ失礼だ、礼儀知らずの マナー違反だよ 」
と 三月うさぎ。
「 この お茶会に招待状がいるなんて 知らなかったからよ 」
と アリス。
「 それは われわれの 常識的マナーなんだけどな 」
「 でも 三人分より もっとたくさんの
ティーカップが用意がしてあるじゃない ? 」
と アリス。
「 それと マナーは関係ないね 」
「 だいたい まともじゃないと言われる三月うさぎが
なんで 普通にマナーを言うのよ !
ケチくさいわよ ! 」
と アリス。
「 我々は マナーを重んじるんだ 」
「 エゲレス紳士だからね 」
「 身だしなみも大切だ 」
「 君 髪の毛、切ったほうがいいよ、
ボサボサだよ 」
帽子屋はアリスを ものめずらしそうに、
ジロジロと見て言いました。
「 このゆるふわのヘアスタイルが気に入っているのよ、
人のこと、とやかく言わないで ! 」
とアリスは、ムッとしながら言いました。
帽子屋は、反論されたので目玉を見開きました。
「 レディの容姿に関することに意見するのは
凄く失礼なのよ ! マナー違反よ ! 」
と アリス。
「 う~ん この娘は まともじゃありませんなぁ。
無作法で 図々しくて 喚き散らしてねぇ 」
「 ほんと非常識な娘ですなぁ やれやれ 」
「 うるさいわ !
やっぱり あんたら まともじゃないわよ ! 」
イラッとして 怒鳴るアリスなのでした。
続 く