偽作 白雪姫 3 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい





「 こんばんは どなたか いますか ~? 」



  白雪姫が 小屋に入ると

  食べ物の匂いがしました

  食事の下準備がしてあり 白雪姫は

  思わず つばを飲みこみました 


「 あぁ お腹がすいて たおれそう 」


  勝手に食べてはいけないと 思う心とは裏腹に

  身体は ふらふらと引き寄せられ

  ついつい 口にしてしまいました


「 ちょっとだけ 味見したりして ♪ 」


  一口だけ 一口だけと 思いつつ

  空腹の余り ぺろりと全て食べ尽くしました


「 あぁ お腹 いっぱい うっぷぅ ~♪ 」



  お腹が膨らむと疲労のため 気絶するように

  小さなベッドの一つに倒れこみ 

  そのまま寝入ってしまいました




「 Z z z z z z,,,,, ]















  そこへ7人の 小さい住人達が

  仕事から 空きっ腹を抱えて 帰ってきました



「 ♪ ハイ・ホ ~ ハイ・ホ ~ ♪ 」


「 ♪  声を そろえてぇええ ~ ♪ 」


「 ♪ みんなでぇぇえ 楽しくぅぅう いざぁぁあ ~ ♪ 」


「 ♪ ハイ・ホ ~  ハイ・ホ ~ ♪ 」


「 ♪ ハイ・ホ ~  ハイ・ホ~ ♪ 」


「 ♪ ほがぁらかぁにぃぃ ~♪ 」


「 ♪ 楽しくうぅ うたえばぁあんぁん ♪ 」


「 ♪  いざぁああ ハイ・ホ ~ と くらぁ ♪ 」



「 おや ? 誰かいるぞ 」


「 誰 ? 」


「 女の子が 寝ているぞ 」


「 どれどれ ? 」


「 わぉ ! なんて 可愛い娘なんだろう ~! 」


「 まるで雪のような白い肌だ 」


「 でも なんで こんな所にいるんだろう ? 」


「 もしや 俺達を探りに来たのではないだろうな ?  」


「 まさか こんな 華奢な お嬢さんが ? 」


「 こんな無防備に 眠りこけているいるのに ? 」


「 まあ それもそうだなぁ 」


「 おおかた 迷子なんだろうよ 」


「 口減らしで 親に捨てられたのかも 」


「 ” ネグレクト ”ってやつか ? 」


「 今は そんな親が増えているようだ 」


「 ヘンゼルとグレーテル みたいに ? 」


「 これと違う お話だけどな 」


「 そうか かわいそうに グスン グスン 」


「 しーっ  寝息を立てているから 」


「 このまま 寝かせてやろう 」


「 それがいい 」


「 あっ 夕食がないぞ ~ 」


「 わぁ 食べられた ~ 」


「 あぁ ~ 全部 食べられてるしぃ ~ 」


「 おれたちの 夕飯は どうする ? 」


「 しかたない 水でも飲んで 寝ようか 」


「 あ~ 寝てるベッドは 俺のだよ 」


「 しかたないよ オイラのベッドで一緒に寝よう 」


「 う~ん やさしくしてね ♪ 」



「 。。。。 」













  朝になりました

  白雪姫が目を覚ますと 

  7人の小さな人達が 覗き込んでいました




「 あっ 目を覚ましたぞ 」


「 やぁ おはよう  」


「 君は 誰 ? 」


「 どこからきたの ? 」


「 何をしているの ? 」


「 寝てたんじゃないかなぁ ? 」


「 そりゃそうだ 」


「 そうじゃなくてだなぁ 、、、」




  白雪姫は 小さな彼らの姿に 驚きましたが 


  まず 彼らの食事を食べてしまったことを詫びました



「 ごめんなさい 死ぬほど お腹が空いていたの 」


「 人間 腹減ると辛いからなぁ まぁ しかたないさ グ~ゥ! 」

「 いいってことよ グ~ゥ! 」

「 今日の 食事当番は誰だ ? グ~ゥ! 」

「 早く~朝飯 ! グ~ゥ! 」

「 お前ら 腹の虫が うるさいぞ! グッグ~ゥ! 」


  
  白雪姫は 身分を隠して 今の境遇を話しました

  継母に疎まれていること 

  殺されそうになったこと

  なんとか逃れてきたこと 



「 なるほど かわいそうな女の子だ 」

「 ネグレクトどころの話じゃないな 」

「 行く所が ないんだな 」

「 では ここに いたらいい 」

「 そうだ 」


「 ご迷惑では ないですか ? 」


  白雪姫は 尋ねました


「 まぁ いいんじゃない 」

「 そのかわりに 家事を お願いしたいな 」

「 今 俺達は 交代で食事を作ったり 掃除洗濯をしているんだ 」

「 お嬢さんに できるかい ? 」


  白雪姫は 家事などしたことがありませんでしたが


「 やります 教えてください 」


  きっぱりと 返事をしました 


「 じゃぁ まずは 朝食から作ろうか 」

「 あぁぁ 腹が減って 腹が減って

  今なら 人間だって 食べられそうだよ グ~グ~ゥ ! 」

「 おいおい 人を喰うってぇのは 穏やかじゃないぞ 」

「 いや 知らずに調理されたら 喰っちまうかもよ 」

「 それ猟奇的だ カニバリズムだなぁ 」

「 おいら カニ 好きだよ たべたくなっちまったい 」

「 いや そうじゃなくてだなぁ 、、、、 」

「 なんでもいいから 早く めし めし ! 」





  白雪姫は 生き残ることが大切と思いました

  このまま おめおめと 王室を 祖国を

  継母の王妃の思うままに させるわけにはいきません

  きっと 大きな陰謀が 渦巻いているに違いない

  そう思うと はらわたが煮えくり返るような思いでした



「 継母は許せない このままでは 済まさないから 」


  白雪姫は 拳をかたく握りしめ つぶやきました









  白雪姫不在の お城の近衛兵たちは  

  美味しい美味しいと 

  大喜びで シチューを食べました


「 今日は 具沢山だねぇ 」

「 お肉 たっぷり 」

「 よく 煮込まれているねぇ 」

「 ひさしぶりに 食べごたえがあるなぁ 」

「 うま うま ♪ 」

「 まいぅぅう ~ ♪ 」

「 うまし ♪ 」



  もちろん 誰も 何の肉かは 知りません
 
  でも お腹いっぱい食べて 

  みんな 幸せな気持ちになりました

  美味しく煮込まれてしまった 何かの お肉以外は



「 お か わ り ~♪ 」




      続 く




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