「 おやつの プディング消失の件なんだが ワトソン 」
「 まだ そんなことを言っているのかい? ホームズ 」
「 前回は 上手く 言いくるめられたが 今回は そうはいかないよ 」
「 それで ? 」
「 犯人は 証拠を残している 」
「 なるほど 観察力の鋭い君のことだからな 」
「 まだ 犯人は この部屋にいる 」
「 それで ? 」
「 君の 口の周りの カラメルソースが 動かぬ証拠だ 」
犯人は 君だ ワトソン 」
「 ご高説は 承っておこう 」
「 どうだい 白状したまえ ワトソン 」
「 それは そうだろう 僕は プディングを食べたからねぇ 」
「 そうそう 私も鬼ではない 正直に 言えば
レストレード警部を呼ぶのはやめておこう 」
「 では 被疑者の僕から 反論をさせてもらおうか 」
「 よろしい 自己弁護の機会を与えよう 」
「 ホームズ 君と僕は ハドソン夫人に 部屋を二人で借りている 」
「 そうだ 」
「 先月から 君は 仕事をしていない 」
「 まぁ 不況の折 そんな事もあるよ 」
「 折半している家賃を 今月 君は払っていない 」
「 無い袖は 振れないからね 」
「 半分の僕の分は ハドソン夫人に払った 」
「 喜ばしいことだ 」
「 ハドソン夫人の温情で 君の食事は出してもらっているが
家賃を払うまでは おやつは抜きだと
申し渡されていたのを 覚えていないのかなぁ ? 」
「 えぇ? そっ そうだっけ ? 」
「 きつ~く言われて ペコペコ謝っていたのは どこの誰だっけ ? 」
「 それがぁ いまいち 記憶が 曖昧模糊として 、、 」
「 医者の立場として 言わせてもらうが
また コカイン7%溶液の影響下に あったんだろう
記憶障害まで 起きているぞ 」
「 いやぁ それは おそらくぅ モリアーティ教授の陰謀かもよ 」
「 人のせいにするな 友人として言わせてもらうと 」
「 えぇっと なんでしょう ? 」
「 君は もう立派な ジャンキーだ 」
「 だって 仕事なくて 暇なんだもん 」
「 仕方がない 今月分は 僕が立て替えておこう 」
「 それは有り難い 恩に着るよ 」
「 でも 来月 返せなかったら 」
「 返せなかったら ? 」
「 そうだなぁ 君の胸の肉 1ポンド もらうぞ 」
「 なんて非道な ! 君は ベニスの商人の シャイロックか~? 」
「 おやぁ ? これは 明らかな 意識障害だなぁ
ここは ロンドンで 君が シャーロック だろうに 」
「 いや それ シェークスピアの戯曲なんですけどぉ 」
「 誰だ シェークスピアって ?
モリァーティ教授の手下か ?
困ったもんだ 名前まで間違えている
僕は ワトソンなのに 、、、 」