偽作白雪姫 1 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい







  「 鏡よ 鏡 」




  王妃は 問いかけました




「 ちゃんと白雪は 始末したのでしょうね ? 」




  鏡の裏側に 身を隠した

  秘密裏に 王妃に仕える従者が 答えます





「 それが 始末を申し付けた狩人が 

  白雪姫に 買収されて

  勝手に 逃がしてしまったようなのです 」






「 なに? まだ生きているのですか?

  それは よろしくない報告だこと  」






「 持ち帰った 殺害の証拠の 心臓は

  鑑定の結果 白雪姫の物でなく

  豚の心臓であるとの 報告を受けました 」





「 白雪に まんまと言いくるめられたのね

  なんて食えない 憎らしい 小娘なのかしら

  それで狩人は どうしました ? 」






「 狩人は 食肉として処分しました

  近衛兵たちの 食事に供されています

  今夜は シチューですかな 」





「 なるほど 裏切り者に相応しい最後ね 

  とろとろに 柔らかくなるまで 

  良~く 煮こんでおやり 

  でっ 白雪の行方は ? 」





「 はい 今 配下の者に捜索させています 

  市中や 近隣の森は 隈なく探しましたが

  いまだ 発見できていません

  しかし しょせん小娘の足です

  そう遠くまで 逃げられるとも思いません 」







「 早く見つけて 亡き者にしておしまい 

  いくら暗愚な王様といえ 

  わが娘は 可愛いだろうから 

  白雪の暗殺計画が 発覚してしまうと まずいわ 」





「 はっ かしこまりました 」





  白雪姫の 生母は 病死しました

  喪が開けて しばらくすると

  新王妃は 過去に一悶着あった他国から

  国王の後妻として輿入りしました

  尖兵ともいえる新王妃は

  友好を装って送り込まれましたが

  完全な 政略結婚でした

  白雪姫の 継母になった彼女は この国の実権を握り

  王位継承権を持つ 唯一の跡継ぎの彼女を 

  亡き者にしようと 画策していました

  そこで狩りと称して 王様には内緒で 

  白雪姫を連れ出させ 暗殺を図ったのでしたが

  まんまと 逃げられてしまったのです







  王様は 王妃から 白雪姫が家出したと聞かされました







「 妃よ ワシの可愛い白雪姫は まだ見つからないのかい ? 」





「 はい 必死の捜索を続けていますが

  いったい どこに行ったのでしょうねぇ?

  まだ見つかっていませんのよ 」




「 困ったのう 心配じゃぁのう 」




「 若い娘ですから どこかのボーイフレンドの所にでも

  しけこんでいるのかもしれませんねぇ 

  案外 お盛んなのかも おほほほっ 」





「 ああぁ まだまだ子供だと思っていたのにぃ 、、」






  行方不明の姫を心配するあまり 

  王様は心労で寝込んでしまいました 






  白雪姫の捜索は 王妃に一任されました





「 小娘め どこに隠れていても必ず探し出して

  お前の心臓を 抉り出しててくれるわ 

  残りは ミンチにして ハンバーグにしてあげる 

  王様は ハンバーグが大好物だからね おほほほほっ 」


  




  王妃様は サディスト だったのです

 














          続 く