狼のブルース4 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい





          母親は 少女に言いました 




        「 お婆さんが 体調を崩しているから 

          お見舞いに 行っておくれ 

          ケーキと葡萄酒をもって 元気づけてあげなさい 」





        「 え~えっ おばあさんの家は 森の中でしょう 

          お母さんが 行けばいいのにぃぃ 」




          少女は ぐずりました




        「 お母さんと お婆さんが 

          折り合いが悪いのは 知っているでしょう?

          血圧でも上げられて 長患いになったら 困るわ

          あたしは 面倒見る気はないんだよ 

          お父さんは 狩りに出掛けていないし

          あんたは 可愛がられているんだから 行っといで

          派手な赤いずきんも 買ってもらったでしょう 」




        「 そんなぁ めんどくさいなぁ 」




        「 早く とっとと 行っといで 

          ご近所の手前の アリバイ作りだからね

          すぐ もどってくるのよ 」





       「 ずきんくらいで 恩着せがましくされても困るわ 

         女の子だから 真っ赤だなんて

         ジェンダーフリーの精神に反するわ 

         サンタクロースでもないし

         もっと シックな色が よかったなぁ 」        
     




       「 ほんとに お前は 殴りたくなるほど カワイイこと 」




         母は 切れかかっていました





       「 こらっ 早く行かないと かわいがるわよ 」





         かわいがるとは しごき等の 隠語です

  
         体力自慢の母の鉄拳は 父も恐れるほどでした


         ストレス発散のために 


         立木に 拳を たたき込み



       「 これからは女も強くなくっちゃね 」 と



         田嶋●子先生のようなことを言い


         少女を相手に 実践的護身術の


         スパーリングをしていました
  


         少女は 母を本気で怒らせると まずいと思いました 



       「 はい はい はい 行って きますよ~だ 」



         ブツブツ言いながらも 出かけました










       「 返事は 一回で いいの ! 」





















         赤いずきんをかぶった少女は 


         森に入っていきました

  
         その時 森の中では 


         赤いずきんの少女を 凝視し


         静かに 忍び寄る 怪しい


         一つの 影がありました









         ギ ラ リ 


 











          嗚呼 少女の運命は いかに?


                続く