村田 正治・九州大学先端医療イノベーションセンター特任教授の有望な研究の一つ。
一部転載:
先ほど、ハイパースペクトルカメラを消化管で使っているとお話ししましたが、このカメラは内視鏡をとればただのハイパースペクトルカメラになります。このカメラは組織の酸素濃度を非接触で見ることができるので、様々な使い方ができます。
例えば、このカメラを利用し、脳外科の「モヤモヤ病」の手術に立ち会っています。モヤモヤ病は、脳の血管が不完全であるため、酸素不足によって突然意識を失ったりする、子供に多い病気です。治療としては、脳の血管をつなぎ直す(バイパス手術)ことによって、血流を回復させます。血流が回復すると、当然脳の表面にも酸素がいき渡るようになります。しかし、血流の回復は目視で行われているため、手術後にそれが不十分であったことが発覚することもあります。すると、再手術をしなければなりません。
そこで、血管をつなぎ直した後に我々のカメラを使うことで、本当に脳表面に酸素が行き渡っているかをリアルタイムで見ることができるとういうわけです。つまり、それで本当に成功したかがわかるわけです。