アインシュタインに次いで価値のある論文だと思う!

 

IBM量子コンピュータにおける「時間の矢」とその逆転現象

 

G. B. レソヴィク,1 I. A. Sadovskyy,2,3 M. V. Suslov,1 A. V. Lebedev,4 and V. M. Vinokur2

1Moscow Institute of Physics and Technology, Institutskii per. 9, Dolgoprudny, 141700, Moscow District, Russia 2Materials Science Division, Argonne National Laboratory, 9700 S. Cass Av., Argonne, IL 60637, USA 3Computation Institute, University of Chicago, 5735 S. Ellis Av., Chicago, IL 60637, USA 4Theoretische Physik, ETH Zu ̈rich, Wolfgang-Pauli-Strasse 27, CH-8093 Zu ̈rich, Switzerland

時間の矢の起源を明らかにすることは、依然として基本的な科学的課題である。統計物理学の枠組みでは、この問題は熱力学第二法則と密接に関連していた。この法則は、システムが環境と絡み合うことでエントロピーが増大することを宣言している。しかし、時間の不可逆性が自然界の基本法則なのか、逆にそれを回避できる可能性があるのかは、まだわかっていない。本研究では、自然界では時間の反転に必要な複素共役は指数関数的に起こり得ないが、複素共役を含む量子アルゴリズムを設計することで、与えられた量子状態を反転させることができることを示す。このアルゴリズムをIBM量子コンピュータで用いることで、2準位不純物上に散乱した電子の時間反転ダイナミクスを実験的に実証することができた。

IBM量子コンピュータにおける時間の矢とその反転

 

目次

はじめに

1

拡散する波束の反転 1

一般的な時間反転のアルゴリズム 3

時間反転の実験 4

結論 6 参考文献 6

波束の反転の複雑さ 7

量子ビットレジスタのダイナミクスの反転 7

最適な位相シフトの配置 8

ブール関数時間反転アルゴリズム

9

2準位不純物の散乱のシミュレーション 11

時間反転実験 12