大阪大学のレーザーは規模だけ大きいだけでアイデアが不足している印象だったが
レーザーをナノバブルに当てて高音と出すというすごいアイデアが出てきた。
マイクロバブル爆縮による超高場の生成と相対論的プロトン放射
Generation of Ultrahigh Field and Relativistic Proton Emission by Microbubble Implosion
村上匡且 MURAKAMI Masakatsu 大阪大学レーザー科学研究所
(原稿受付:2019年8月23日)
何もない空虚な空間,とかつては思われていた真空が,実は粒子・反粒子である電子・陽電子による対生 成・消滅が絶え間なく繰り返されている場であることは量子電磁力学(QED)が説くところであるが,自発的に 対生成がおこる臨界とされるシュウィンガー極限電場(!&~1.3×1018 Vm-1)を光子衝突のみで達成しようとす れば現在のレーザー強度では未だ6~7桁足りない.このシュウィンガー極限電場を光とプラズマの相互作用を 通して達成し得る新たな原理「マイクロバブル爆縮」を提案する.数十 MeV の高速電子をミクロンサイズのバブ ル内部に満たすことで球対称静電場を作り,バブル表面プロトンを亜光速でナノスケールにまで爆縮させる事 で,固体密度の数十万倍,エネルギー密度にして太陽中心の百万倍の超高密プロトン球が,数十アト秒の極短時 間であるがバブル中心に出現する.電磁流体力学はもとより相対論から量子論に至る幅広い要素が内在するマイ クロバブル爆縮の物理を概観する.