アラン・グースと佐藤勝彦が考えたインフレーション理論は

物理の世界ではとその周りではほとんど受けられている。

宇宙膨張が進んでいることから実験的証拠も少なくない。

宇宙のBモードの観測なども後押しいている。

(これは確定的ではないようだ)

しかしノーベル委員会はまだ十分に評価していない。

ホーキングのブラックホールの数々も評価が不十分だった。

ブラックホールの存在は観測されているのに。

 

我々一般の科学者はインフレーション理論の中身は知らない。

 

そこでその理論を探してみたら

九州工大の蒲田さんが短いノートをアップしていたので

それをもとに論評してみよう:

 

 

フリードマン方程式

宇宙は、一様等方であることを仮定する。宇宙の任意の一点から半径aの球を考える。球内の密度をとして、球の表面にある物質の質量をとする。質点は重力を受けて動き出す。そのときの運動方程式は、

 (1)

膨張によって、質量は変化しないとすれば、密度は、

 (2)

で与えられる。は、初期値(定数)である。(1)式は、

 (3)

となる。ここで、両辺にをかけて時間で一回積分を行うと、左辺は、

 (4)

となり(は積分定数)、右辺は、

 (5)

となる。と表せば、(2)~(5)より、

 (6)

ここで、と置き換えた。ここで、一般相対性理論から導かれる結果は、

 (7)

であるので、宇宙定数(Λ)の部分だけ異なり、ニュートン力学からも導けることは、驚きである。

これをフリードマン方程式という。スケール因子の方程式である。

*は、空間の曲率を与えることが、アインシュタイン方程式から、示す事ができる。

宇宙の年齢

宇宙定数Λと曲率*は、分らないのでを仮定すると、(7)式は、

 (8)

  (9)

と解けて、スケール因子が、1と見積もれる現在までの時間として、宇宙の年齢を算出すれば、

                                 =650億年 (10)

と求まる。

インフレーション宇宙

宇宙の初期、ビックバンが起こってまもなくの宇宙では、宇宙定数Λが、物質の密度ρや圧力よりもはるかに大きかったと仮定すると、ρ=0として、宇宙膨張の式(7)から、

 (11)

 (12)

を得る。この解は、1981年に日本の佐藤勝彦とアメリカのグースによって、指摘された。素粒子論から期待されるΛを想定すると、宇宙ができてたった秒後には、cmの宇宙の大きさが、30cmに膨れあがったことになる。このような膨張の仕方をインフレーション膨張という。

 

 

この解説はなかなか手際良い解説で蒲田先生は立派な教師だということが見てとれる。

 

 

これをみると宇宙定数を計算して

一般的に認められている方法を使っているように見える。

つまり、真空の中に質量もないのにブラックホールで使われている

シュバルツシュルト半径を使っていて、

明示していないがそのために瞬間的な時空の膨張が

起きたと考えられる。

そんなことを認めるのは困難だが、

逆にインフレーションが正しければ、

そのような量子論の真空のエネルギー密度も

インフレーションの時にはありえるということになる。

観測が突拍子もない理論(仮説)も正当化するのだ。