加速器の世界では多くの天才がいる。いた。
特にロシアはアイデアに富む多くの研究者を輩出した。
加速器を小さくする多くのアイデアがロシアで提案されている。
ブドカーやベクスラーは集団加速というアイデアを捻り出した。
どちらも天才だ。
そのアイデアは
電子の塊はその中に強い電場ができ
その中にイオンを置くと重いイオンでも
短い距離で高いエネルギーの加速ができるはずというものだ。
そのアイデアは一見、正しそうにみえ世界中の加速器研究者がそのアイデアに乗っかった。
新し物好きな好奇心の強い人たちが一山当てようと
次々と始めた。
日本にもプラズマ関係の研究者もそのアイデアを紹介するなどした。
アメリカでは一流の研究所Laurence Berkeley Laboratory(LBL)も研究を
始めた。
ドイツも頑張った。
本家のモスクワの研究所も頑張った。
皆、うまくいかなかった。
私も、最近、それらの研究を見直してみながら
原因を探究した。
どうやら過去何十年か錚々たる研究者は見落としがあったらしい。
だから大元の発案者がいかに偉い天才研究者であってもアイデアが
素晴らしいと言って決して鵜呑みにしては
いけないということだ。
世界の方向は大型加速器の方向に向かっていて
次世代の加速器はFCCという周長100キロメートルの
円形加速機に向かっている。
超小型の高エネルギー加速器は足踏みをしているが
必ずや復活するに違いない。いや復活させる。