ウイルスはゲーツやファウチがつかえば人口減少も可能だし

東大の藤堂教授がつかえば難治ガンも治せる善用もできる?

 

ひさしぶりにイイアスモール熊沢書店にいったらがんのウイルス治療の本がつんであった:

 

一部転載:

 

そのなかみは

 【悪性神経膠腫について】

 神経膠腫(こうしゅ)(グリオーマ)は、原発性脳腫瘍のおよそ4分の1を占め、代表的な悪性脳腫瘍です。神経膠腫は悪性度に従って4段階に分けられ、悪性度の高い2つの段階のもの(悪性度3と4)を悪性神経膠腫と呼びます。このうち治験の対象となった膠芽腫(グリオブラストーマ)は、最も頻度が高く予後も悪い悪性度4の神経膠腫です。手術をしてから放射線治療と化学療法を行っても、生存期間中央値(いわゆる平均余命)は診断から18カ月、5年生存率は10%程度とされます。今回G47∆(デリタクト注)の適応対象となるのは、悪性度3と4の悪性神経膠腫です。
 

 

 【がんのウイルス療法とは】

 がんのウイルス療法とは、がん細胞のみで増えることができるウイルスを感染させ、ウイルスが直接がん細胞を破壊する治療法です。ウイルス療法では、遺伝子工学技術を用いてウイルスゲノムを「設計」して、がん細胞ではよく増えても正常細胞では全く増えないウイルスを人工的に造って臨床に応用します。がん細胞だけで増えるように工夫された遺伝子組換えウイルスは、がん細胞に感染するとすぐに増殖を開始し、その過程で感染したがん細胞を死滅させます。増殖したウイルスはさらに周囲に散らばって再びがん細胞に感染し、ウイルス増殖、細胞死、感染を繰り返してがん細胞を次々に破壊していきます。一方、正常細胞に感染した遺伝子組換えウイルスは増殖できないような仕組みを備えているため、正常組織は傷つきません(図1)。
 

 

図1 
 

 【G47Δ(ジーよんじゅうななデルタ)とは】

G47Δは、口唇に水疱ができる口唇ヘルペスの原因ウイルスとして知られている単純ヘルペスウイルス1型の3つのウイルス遺伝子を改変して、藤堂教授らが作製した世界初の第三世代のがん治療用遺伝子組換えヘルペスウイルスです(図2)。

単純ヘルペスウイルス1型は、がん治療に有利な特長を多く備えています。その主な特長は、1)ヒトのあらゆる種類の細胞に感染できること、2)細胞を殺す力が比較的強いこと、3)抗ウイルス薬が存在するため治療を中断できること、4)患者がウイルスに対する抗体を持っていても治療効果が下がらないこと、などです。単純ヘルペスウイルス1型のゲノムから、正常細胞での複製には必要でがん細胞では不要なウイルス遺伝子を取り除くことで、がん細胞だけで増えるウイルスを造ることができます。

3つのウイルス遺伝子を改変したG47Δは、既存のがん治療用ウイルスに比べて安全性と治療効果が格段に高くなっています。また、大きな特徴として、複製した増えたG47Δが、破壊したがん細胞とともに免疫に排除される過程で、がん細胞が免疫に非自己として認識されて、抗がん免疫が惹起されるため、G47Δを投与した部位のみならず、遠隔のがんに対しても免疫を介して治療効果が期待できます。さらに、G47Δは、がんの根治を阻むとされるがん幹細胞をも効率よく破壊することが判っています。

今回の製造販売承認で、G47Δは日本初の国産のウイルス療法製品となり、国産の遺伝子治療用製品としても2つめです。世界でも脳腫瘍に対する初めてのウイルス療法製品です。G47Δの国際一般名は、teserpaturev(テセルパツレブ)、国内販売名はデリタクト注です。
 


図2 

 

 【G47Δの臨床開発】

G47Δは東京大学の藤堂教授らが開発した革新的ながん治療用ウイルスであり、世界に先駆けて日本で臨床開発を行いました。G47Δの臨床開発は、真のアカデミア発のトランスレーショナルリサーチとして進められました。培養細胞や動物を用いた安全性や有効性の試験はもとより、臨床試験に用いる治験製品の製造も東京大学医科学研究所内の施設で研究チームが自ら行いました。G47Δを初めてヒトに投与するいわゆるファースト・イン・ヒューマン(first-in-human)臨床試験は、2009年から、膠芽腫を対象とした臨床研究として東京大学で5年間実施され、脳腫瘍内への投与が安全であることが確認されました。更に、有効性を検討する第II相臨床試験は、医師主導治験として、膠芽腫患者を対象に2015年から2020年まで実施し、有効性と安全性を確認しました。この医師主導治験は、外国で承認されていながら国内未承認、あるいは適応外使用が一般的となっている医薬品や医療機器について実施するものとは異なり、非臨床試験から治験製品製造、規制対応、治験実施まで製薬企業が全く関与せずにアカデミアだけで行ったという点で、日本の医薬品・再生医療等製品開発の歴史に残るアカデミア主導創薬の成功例と言えます。単純ヘルペスウイルス1型を用いたウイルス療法が、ヒトの悪性脳腫瘍で有効性が示されて実用化に至ったのは、世界で初めてです。
 

G47Δは脳腫瘍のみならず、あらゆる固形がんに同じメカニズムで同じ治療効果を呈することが動物実験で示されており、今後、速やかに全ての固形がんに適応が拡がることが期待されます。2013年からは、前立腺癌と嗅神経芽細胞腫をそれぞれ対象とした臨床試験を実施し、2018年からは悪性胸膜中皮腫の患者の胸腔内にG47Δを投与する臨床試験を実施しました。