がんの標的アルファ療法の薬剤の最新ニュース(2021年10月)。
東工大、千葉大学、大阪大学、QSTなどのがんの標的アルファ療法の薬剤の共同研究グループは最新の進展を発表
した。
がんの標的アルファ療法については期待されてきたが
すくなくとも日本ではその薬剤ががん細胞にとどいても
がんにとどいても離れてしまい、それが副作用を引き起こす問題が
あったという。(聞いてないよー)
よいことはニュースにだすが困ったことは予算獲得のためだまっているという
科学者の修正は常々のことのようだ。
何兆円という予算の核融合のITERでも目をひからせていないといけない。
一部転載:
生体内で安定して機能するアスタチン-211標識法を開発
より有効で安全な核医学治療への応用に期待
概要
東京工業大学、千葉大学、大阪大学放射線科学基盤機構、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所の共同研究グループは、生体内で安定して機能するアスタチン-211(211At)[用語1]を用いる新しい標識法を開発しました。211Atはがんやバセドウ病などの治療で行われる核医学治療[用語2]への応用が期待されるアルファ線[用語3]という放射線を放出する原子であり、これまでに211Atを結合した様々な放射性薬剤が開発されています。しかし、従来の薬剤では生体への投与後に、211Atが脱離してしまうことに伴う正常組織への放射能集積が観察されており、副作用が懸念されていました。本手法により211Atと炭素の結合が安定化されたことから、今後より有効で安全な治療薬剤の開発への応用が期待されます。
本研究成果は、2021年10月28日(木)午後7時(日本時間)にJournal of Medicinal Chemistry誌に掲載されました。
背景
核医学治療では、放射性核種を結合(標識)した放射性薬剤を生体に投与し、標的部位に集積後放出される放射線によって治療を行います。核医学治療では、従来ベータ線[用語4]が使用されてきましたが、近年、より効果的で副作用の少ない治療として、アルファ線を使用する治療法が注目されています。アスタチン-211(211At)は臨床応用が期待されているアルファ線を放出する核種の一つであり、同族元素であるヨウ素と類似した化学的性質を示すことから、放射性ヨウ素標識薬剤の薬剤設計を基にして種々の211At標識薬剤の開発が研究されています。放射性ヨウ素は核医学画像診断に汎用されており、211Atと放射性ヨウ素を組み合わせることで、ラジオセラノスティクス[用語5]が可能となります。
しかし、生体内で安定した放射性ヨウ素の標識手法を211Atに応用した場合であっても、薬剤から211Atが脱離していました。脱離した211Atは、胃や甲状腺、脾臓などに集積することが知られており、このことにより正常組織における副作用が懸念されます。また、標的部位に集積した薬剤から211Atが脱離し、標的部位から流出することで治療効果が減弱することも懸念されます。このため、安定した211At結合分子を構築するための標識法の開発が望まれていました。