核融合は50年以上前に私が大学院にはいったときにはいつかできるだろうと

思っていた。研究室の近藤さんは東北大学の長尾研の優秀な研究者として自分の研究室を開き

わたしは最初の院生だった。

手作りの装置でコンパクトプラズマの実験装置をつくりはじめわたしは途中で

高エネルギー研にうつったが近藤さんは研究をつづけそれで博士論文をしあげた

はや50年経過しITERの研究開発はたけなわで希望をもっている人たちのいるのだろう。

しかしたとえITERで数秒のあいだプラズマの閉じ込めができたとしても

これから電力を取り出すことはまずありえないとおもう。

中性子による炉の損傷がまったくてつかずだし、

核融合の状態を何百日も安定につずけることなど気が遠くなるほどの

とおい先だ。

むろん現行のトカマック方式以外の方式も考えられるが

いまのところトカマックが先頭をきっている。

よりコンパクトな装置も二番手、三番手に開発されているが

一番手のトカマックがみとおしもつかないのにとても実現性があるとは思えない。

むしろ現行の装置のスピンアウトとしての技術が

有用になる可能性のほうが高いだろう。

わたし自身もその方向でかんがえている。