最近、放射光加速器関連の話題がすっかり下火になってきているようだが
アメリカの
LBLの放射光加速器を使って新型コロナの新しい抗体を発見したとのニュースが入った。
新型コロナウイルスに対する抗体薬剤は1年以上にわたる研究の結果、アメリカでは記事作成時点で3つの薬剤が、アメリカ食品医薬品局(FDA)による緊急承認を得ています。その3つのうちで最新の抗体薬剤であるソトロビマブは、グラクソ・スミスクラインとVir Biotechnologyが開発したもので、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)患者の血液から発見された「S309」と呼ばれる抗体に由来しています。開発チームが軽度から中等度のCOVID-19感染者にソトロビマブを投与したところ、対照群と比較して重症化や死亡の割合が85%減少したことが確認され、5月下旬にFDAから緊急承認が下りました。
そして研究チームは実験の結果から、S309に加えて、これまでの抗体療法では中和できなかった新たな変異体を含む既知の新型コロナウイルスをすべて中和し、さらに近縁のウイルスも中和できるかもしれない抗体を発見したと主張しています。
ローレンス・バークレー国立研究所のAdvanced Light Source(ALS)の分子生物学コンソーシアムのリーダーであるジェイ・ニックス氏は、研究の初期段階において、ALSのビームラインとスタンフォード大学のStanford Synchrotron Radiation Lightsourceのビームラインを使って、新型コロナウイルスの抗体のX線結晶構造解析を行いました。その結果、これらの抗体が新型コロナウイルスのスパイクタンパク質とどのように結合するかを示す詳細な構造マップを作成することに成功しました。
