先の毎日新聞のインタビューで語る
イベルメクチンの効果を大村博士が自分の口で語る。
(しかし、何かに遠慮してかインドでの実績は語っていない)
大村博士は、経緯をそう説明する。この臨床試験は年内に終わる予定であり、その後は厚生労働省に承認申請をし、順調にいけば1年ほどで認可が下りることになる。実は他国では、すでに途上国を中心に約80件もの臨床試験が報告されている。
初期治療で76%の症状が改善
米国の救急救命医学領域の医師らによって結成されたFLCCCは、世界各国のイベルメクチンの臨床試験を調査・解析する団体だ。その結果「イベルメクチンは新型コロナに有効」として使用を推奨してきた。
FLCCCが多くの臨床試験をメタ解析(※)したところ、イベルメクチンを予防として投与すれば85%、初期治療で76%、後期治療で46%に効果があった。致死率の改善も70%に上ったのだ(6月21日現在)。
またイギリスの医師や研究者などで構成されるBIRDも、イベルメクチンの使用により新型コロナに感染するリスクが90%以上、死亡率は68~91%減少すると結論づけている。
こういった報告を受けて、まずイベルメクチンは発展途上国から使用が始まった。パンデミックを何とか収束させたいとの一心で、政府や自治体が他の治療薬と比べ格段に薬価の安いイベルメクチンを投与したのだ。
「今まで約25カ国の政府や自治体が使用を認めて投与した後、多くの人の症状が改善したとの結果がはっきり数字として出ています。今年の4月頃から感染爆発が起きたインドでは、いくつかの州政府は独自に治療基準を改訂し、イベルメクチンの使用を始めて効果を挙げました。その他にもチェコやスロバキア、ペルーやメキシコなども治療を採用しています」(大村氏)
現在、イベルメクチンの作用機序には大きく三つあると考えられる。
①ウイルスの表面にあるスパイクタンパクにイベルメクチンが結合して体内にあるACE2レセプターとの結合を阻害し、細胞に侵入するのを防ぐ
②ウイルスは一本の鎖状のタンパク質を形成するが、メインプロテアーゼがそれを阻害。またウイルスタンパクを核内に運ぶインポーチンなどに結合して、ウイルスの増殖を防ぐ
③免役調整をして炎症、免疫の暴走によるサイトカインストームを抑え、重症化を防ぐ。そのうえ、副作用が少ないのも大きな魅力だ。
「イベルメクチンは、今までアフリカなどを中心に37億回も使われてきましたが、副作用はほとんど報告されていません。なぜ副作用が起きないかといえば、服用量が少ないからです。一般的な抗生物質は、1回約200㍉㌘の錠剤をたとえば朝と夜の1日2回、数日にわたり飲むよう指示されます。現在、イベルメクチンは疥癬(かいせん)の治療にも使われていますが、標準体形の成人なら12㍉㌘をたった1度飲めばいいだけなのです。どんな薬でも、量を多く飲めば肝臓などの負担になり、副作用が出やすくなります」