透明ソーラーのほかに
もうひとつの新ソーラー ペロブスカイト太陽電池がでてきた。
ペロブスカイト構造をした半導体だといってもなんのことやらわからない。
ウイキによれば
立方晶系の単位格子をもち、立方晶の各頂点に金属Rが、体心に金属Mが、そして金属Mを中心として、酸素Oは立方晶の各面心に配置している。酸素と金属Mから成る MO6 八面体の向きは、金属Rとの相互作用により容易に歪み、これにより、より対称性の低い斜方晶や正方晶に相転移する。

これでもなんのことやら。
卑近な例では高温超伝導体のYBCOがこの構造をしているという。
一部転載:

YBCO,BSCCO といった酸化物高温超伝導体は全て、ペロブスカイト構造を基礎とした結晶構造をしている。これら酸化物高温超伝導体には共通して、以下のような特徴がある。
CuO2 八面体のような銅酸化物が、2次元のシート状に広がっている。
このシートの上下には、ランタノイド等による伝導をブロックする層があり、銅酸化物層とブロック層が交互に積層する構造をとっている。
右図に見られるように、ペロブスカイト構造はシート状に並んだ MO2 八面体層と金属Rの層が交互に配置している。このような構造による2次元的な電気伝導が、高温超伝導において重要な役割を果す。

ペロブスカイト太陽電池を開発したのは宮坂力(64)で
印刷技術で製作可能なため低コストでの製造が可能として脚光をあびている。

宮坂博士のサイトから一部転載:
有機無機ハイブリッド構造のペロブスカイト結晶であるNH3CH3PbI3が、酸化チタンの可視光増感剤としてはたらくことを2009年に見出して以来(J. Am. Chem. Soc., 2009, 131, 6050)、この結晶を感光材料に使った固体薄膜太陽電池の研究が活発に行われ、有機系太陽電池のなかでも最高効率(15%以上)をリードする研究分野となっています。電気化学反応がかかわらない発電のしくみから、色素増感型とは一線を画します。ペロブスカイト結晶薄膜は金属酸化物(チタニア、アルミナ)の多孔膜上に、その結晶生成原料を溶液塗布することで数分のうちに形成され、800nmまでの可視光をバンドギャップ吸収によって集光します。その上層に有機正孔輸送材料を接合した薄膜セルは高い電圧(>1V)を出力します。セルは、平易な溶液塗布によって作ることが可能で、その感光波長域をペロブスカイトのハロゲン組成によって変えることもできることから、色素増感太陽電池と同じく、低コストで製造でき、かつカラフルなデザインに繋げることが可能です。このハイブリッド太陽電池は、ほかの固体接合太陽電池と異なり、化学工程で作ることを特徴とする「化学で作る太陽電池」の典型と言えます。 このペロブスカイト材料の他にも、酸化チタン多孔膜との固体接合で高い電圧(1.2V)を引き出すことのできる有機材料ならびに複合材料を開発し、高電圧型の薄膜ハイブリッド太陽電池の実現に繋げます。