SATテクノロジーショウケース2018が朝早くから夕方までかけて盛会のうちに終わった。

主催者側が最も力を入れていた特別講演”ゲノム科学が紡ぐ未来”は凡庸なものであった。講演者の門脇氏はゲノム編集はCRISPRだけではないとみえを切ったが結論はCRISPRに頼って、世界に伍していこうという内容だった。門脇氏に限らずCRISPRを
引用するものはされも発明者の名前を示さなかった。発明者は議論があるもののMITのダウドナとシャルパンティエというのが通説)こんなモノマネ研究が今も連綿と続いていて評価されている。

これに比べてポスター発表は見るべきものが
少なくなかった。

ダントツのトップの研究開発は民間企業の高度技術研究所の清水勲博士のものであった。レーザー使ったホログラムでその原理は私には理解できなかったが
2次元画像を3次元画像にして高解像度で3次元画像に変換できるというものだ。応用はたくさんあるが何と言ってもガンの同定に必ず必要な生検が通常は組織を薄く切るなどの処理が必要で3日くらい必要であるところを1時間で判定できるというものだ。
驚くべきはその解像度で80nmという尋常でない数値だ。
これほどの技術は聞いたこともない。
ガン治療に絶対必須な生検技術だ。
旧来の方式と比べて生検医師による駄目押しの証明をしてほしいものだ。
聴衆の多数がガン治療に関心がない人々だから致し方がないが世の中には
聞いても聞こえない、見ても見られない人々が多すぎる。SATテクノロジーショーケースの関係者はそのような人々か?あるいは一握りの私のような理解者がいたか?

他のポスターでは卵子を増幅する発表があった。実は卵子は卵巣の中に数多く生産されるのだが生存率は1%以下。家畜の増産やさらには不妊治療への応用が期待される。
次に空気リチウム電池の10倍エネルギー密度の話があったがよくよく聞いて見ると充電回数が1回だという。実用化には1万回オーダーの充放電が必要だから全く役に立たない。

それからダイヤモンドの薄膜で回路素子を作るという中国の人の発表があった。こちらはある程度脈があり成功を祈りたい。

他の優れた発表は2回目の総評をお待ちください。