宇宙の物質の起源はというと超新星爆発という答え方もあるが
それでは超新星の材料はとはというと
さらに深い階層の疑問になるとマイナスの重力エネルギーと拮抗する
物質のエネルギーをおこすインフレーション理論ということになる。

そのインフレーション理論でだれもが引き合いにだすスカラー場だが
どんな引用者もその実態を説明していない。
スカラー場とはなにかと問えば圧力や温度がスカラー場とあるがいまのばあいは
それではない。中間子の場もスカラー場であるがいまのばあいはこれではない。
さいきん発見されたヒッグズ場もスカラー場であるがその発見よりもまえに
インフレーション理論はできていた。

そんななか日本物理学会の会誌にこんな説明があった
このような観測的支持にもかかわらず,インフレーショ ンについてわかっていることは少ない.平坦に近いポテン シャル中をゆっくりと時間変動するスカラー場により,イ ンフレーションが実現する.急激な空間の加速膨張によっ て,スカラー場の量子ゆらぎが一気に引き伸ばされ,それが 原始密度のムラをつくり出す.インフレーションが終わる と,スカラー場がほかの粒子に崩壊しはじめ,放射に満ちた 熱い宇宙が現れる.このような漠然とした描像はどうやら 正しそうだが,未知のスカラー場とはいったい何か,スカ ラー場のゆらぎから原始密度のムラはどういう機構でつく
宇宙初期のインフレーションはどこまで解明できるか?
られたのか,どうやってインフレーションが終了し,熱い ビッグバン宇宙に転化したのか,といったより根本的な問 いになると,まだ何も答えはわかっていないのだ.

なーんだ。
このスカラー場は未知なのか!
道理でだれも説明できていないはずだ。

つまり、なんらかのスカラー場を過程すると(そして真空のエネルギー密度が空間が変化しても
一定と仮定すると)いろいろな問題を解決できる
インフレーション理論ができあがる。
仮説だったのだ。(インフラトンというスカラー場も仮説なのだ)

正統的な宇宙論は名古屋大学の松原隆彦
さんが詳しくweb版解説や教科書
をだしている。

追記)インフレーションのスカラー場に関してはこんな議論があるようだ;

宇宙項の問題に関連してよくわからないのは,インフレーション理論である. この理論はもともと大統一理論のヒッグス場を利用して考えられたと記憶する. ところが大統一理論の予言する陽子崩壊が一向に見つからず,大統一理論の信 憑性が怪しくなってきた.つまり屋根に登って梯子をはずされた状況になった. そこでヒッグス場はインフラトン場と改名され,手で自由に細工できる自由度に なったようである.インフラトン場はインフレーション理論のためだけに発明 された場なので,まさに変幻自在,何でもありだ.新しい観測結果が出ると,何 でもインフレーション理論の証拠になるようである.そしてその観測が否定さ れても,インフレーション理論の正しさには影響がないそうだ.ずいぶん都合 の良い理論ではある.今年の初め,原始重力波の痕跡(宇宙マイクロ波放射の B モード偏光)が観測され,インフレーション理論を証明する事実として大ニュー スになったが,その推論がどうもインチキくさくて原始重力波の証拠とは言えな くなっても,インフレーション理論の正しさには影響ないらしい.
さて,よくわからないのはインフラトン場の正体である.一体これは古典場な のか量子場なのか.ゆくゆくは量子場にしたいが,現在のところ古典場としてお いて間に合っているということなのか.まず古典重力場とカップルしたインフ ラトン場の基礎方程式を仮定し,この方程式の特別な解を採用して,インフレー ションが起こることと,それがうまい具合に終結するようにできたとする.ここ までは原理的な問題はない.しかし宇宙の初めの相転移などを論じたいのであ れば,やはり素粒子については場の量子論的アプローチを避けて通るわけにはい くまい.だが,上記のようなハイブリッド理論を考えると,論理的矛盾を来す. やはりインフラトン場も量子場でなくてはならない.しかし,すべてを場の量 子論の枠組みで構成するとすると,並進演算子 Pμ が存在するであろう.ところ が,インフラトン場は宇宙の初めの短い期間だけ大きな真空期待値を持ち,以後 はゼロまたはゼロに非常に近い値でなくてはならない.つまり,宇宙の初めのあ る短い期間だけ P0 は大きく自発的に破れていなければならないことになる.そ うだとすると,ずいぶん人為的な仮定を手で持ち込んだことになるのではない か.インフレーションの専門家はどのように想定しているのだろうか,