しばらく何のウイルスの対策もしていないiMacの
ウイルス駆除をSophosでやっていたら
hiram key とかいうアドウエアーの類が多くの
ウイルスの中にあった。
このヒラムというのは
フリーメーソンの秘儀と関係していて何でそれが
ウイルスの類として紛れ込んできたのか不可思議だ。

アバンギャルドの精神世界から転載:

ユダヤ教初期の聖者の伝説といえばヒラムの伝説である。ヒラムよりはもっと時代が下がった達磨のことですら、現実感の薄い伝説でしか残っていないから、その伝説が怪しいのはもっともなことか。


ヒラム・アビフは、ソロモン神殿を建設した棟梁だったが、聖書では生きて故国に帰ったとされ、ユダヤ教では惨殺されている。


まずはヒラムの人となり。

『『聖書』の伝統に包まれたキリスト教世界は、異教の密儀の聖域よりむしろ自らの聖典から神殿を選び出した。『列王紀上』第七章十三、十四節には、ソロモン王が人を遣わしてツロからヒラムを呼んできたと書かれている。


この男は、ナフタリの部族の寡婦の子であって、その父はツロの人で、青銅の細工職人であった。ヒラムは青銅のいろいろな細工をする知恵と悟りと知識に満ちた者であった。

ソロモン王のところに来て、そのすべての細工をした。


『歴代志下』第二章十三、十四節では、ダンの子孫である女を母とする知恵のある職人を遣わしたのは、ツロの王ヒラムであった。建築者であるヒラムは、金銀、青銅、鉄、石、木の細工および紫糸、青糸、亜麻糸、緋糸の織物に詳しく、またよくもろもろの彫刻をし、意匠を凝らしてもろもろの工作をした。』

(フリーメーソンの失われた鍵/マンリー・P・ホール/P168-169から引用)


そして、ヒラムの殺害。A・E・ウェイトはフリーメーソン新百科事典で次のように解説する。

『「『棟梁』伝説はフリーメーソンの偉大なる寓話である。たまたま、彼にまつわる比喩的な物語は『聖書』に言及されている一人物の事実に基づいているが、この歴史的背景は出来事から成るもので、本質をなすものではない。その意義は寓話にこそあれ、寓話の背後にあるかもしれない歴史上の点にはないのである。」


ヒラムは「棟梁」として職人たちを三グループに分け、彼らは入団徒弟、職人仲間、団長と呼ばれた。彼は各グループの力量がすぐ決められるある合言葉と合図を与えた。皆、実力に応じて区分されたが、不満とする者たちもいた。自分が占めることのできる以上に高い地位を得たいと欲張ったからである。


ついに三人の「職人仲間」が同僚たちより大胆不敵となり、むりやりヒラムに「団長」階級の合言葉を明かさせようと決めた。ヒラムが祈祷のためいつも正午に未完成の至聖所ヘ入っていくのを知って、この悪党たち――名はユベラ、ユベロ、ユベルムだった―――は、各々神殿の大門で待伏せした。


ヒラムは神殿の南門を出ようとしたところで、二十四インチのけい引きを武器とするユベラに突然出くわした。


ヒラムが「団長の言葉」を明かすのを拒否すると、悪党はけい引きで彼の首をなぐり、負傷した「団長」は西門へと急いだが、そこではユベロが曲尺を武器にして待ち構え、同様の要求をした。


再びヒラムは沈黙し、この第二の刺客は彼の胸を曲尺でなぐった。その後ヒラムは東門へよろけながら行ったが、そこでは大槌で武装したユベルムに出くわす以外になかった。


ヒラムが「団長の言葉」を言わないと、ユベルムは「団長」の眉間を木槌でなぐり、ヒラムは倒れて死んだ。


ヒラムの遺体は殺人者たちによりモリア山の崖っぷちに埋められ、アカシアの小枝が墓の上に置かれた。それから殺人者たちはエチオピアヘ船で行き、刑罰を免れようとしたが、港は閉鎖された。


結局、三人全員が捕えられ、罪を認めた後、正式に処刑された。それから、三人ずつからなる一行がソロモン王により派遣され、このうちの一グループが常緑の小枝で見分けのつく、作られたばかりの墓を発見した。「入団徒弟」や「職人仲間」は「団長」を再生し損ねたが、結局、ソロモン団長により「『獅子の足』のように力強く握りしめられる」ことにより再生させられた。』

(秘密の博物誌/マンリーP・ホール/人文書院P86-88から引用)


これは、再生付きの聖者の殺害である。ソロモン王が再生してみせたところを見ると、全体の筋書きを仕組んだのはソロモン王であろう。まるでユダが筋書きを書いてイエスに演じさせたみたいに。


ヒラムは実は、“ヘルメス”という名が変化したものだ、というのはありそうなことだ。この話も北欧神話のオーディン伝説のように、なにげなく読めば、世間にありそうな奇妙な悲劇の一つとして読み過ごしてしまいそうな話である。


基本はクンダリーニ・ヨーガだから、ヘルメスが登場してきて、いろいろな物質変成からこの世の超越へと進ませる道を指し示したのだろう。爛熟した時代には必ず登場してくる聖なるヘルメスは自らを捨てることを厭わないものだ。


団長の合言葉は。維摩の一黙みたいに言葉で言えないものだったとしたら・・・・・。