最先端治療からの転載:

つくば研究交流センターでの熊田博明博士(筑波大学)の最近の研究成果のプレゼンは

とても優れた物だった。


設計値での中性子の強度は原子力発電での3倍でかつ陽子のエネルギーが3MeVと

京都大学の30MeVの十分の一なので標的からでてきて全身に照射されてしまう

害のある中性子の発生量が千分の一のはずだという。

京都大学のサイクロトロンをつかった方式では治療が終わってからすぐには中性子の

放射能がひどいので治療室に入れないのだと言う。


目新しい話としてはBNCTによる悪性腫瘍では何回も照射できるのだという。

これが重粒子線では正常細胞に照射された放射線に記憶機能があるので

何回も照射できないのだということを放医研のホームページから

引用して重粒子線に対するBNCTの利点を強調していた。

(本当はこの主張はフエアーではない。重粒子線は通常2方向からの照射なので

別の方向から照射すればよいのだ。しかし放医研ではそんな親切で手間のかかることはしないのでそういわれても仕方の無い事だ)


もうひとつは重粒子線では適応外という大腸の照射も始まったということだ。

その結果は知らないとのことが残念だ。

ということは胃への照射も考えられるということだ。

だれもが関心のある

治療費は150万円以下にしたいとのこと。

照射時間は15分で一回照射。


BNCTを熱心に宣伝したいあまり他の治療法を過小評価するなど

公平でない間違った説明もあったが、許容範囲だっともいえる。


全般によい発表だった。

80点。