先日のつくばサイエンスアカデミーSATで会長の江崎博士(ノーベル賞)が講演者の高エネルギー物理の実験家の専門家(ノーベル賞候補)に
膨張宇宙の速度は光の速度を越えているのだろうかという質問をしていた。
講演者はとっさの基本的な原理的な質問に”ハッブル常数が。。。そうですね。光速を越えない。。。”と言われた。
わたしはそれは違うのではといいかけつつ、声を抑えた。

ハッブルが夜空を観測して赤色変位という光のドップラー効果(離れて行く運動物体からの電磁波は見かけ状の波長がのびてみえる)
によって:

ハッブルの法則(ハッブルのほうそく)とは、天体が我々から遠ざかる速さとその距離が正比例することを表す法則である。1929年、エドウィン・ハッブルミルトン・ヒューメイソンによって最初に定式化された[1]。この法則によって、宇宙が膨張しているという事実がわかった。

v を天体が我々から遠ざかる速さ(後退速度)、D を我々からその天体までの距離とすると、

v={H_0}\,D

となる。ここで比例定数 H_0 はハッブル定数 (Hubble constant) と呼ばれ、現在の宇宙の膨張速度を決める。

ハッブル定数はT^{-1}\,時間逆数)の次元をもち、通常、km/s/Mpc(キロメートルメガパーセク)の単位で表される。2013年現在最も正確な値は、プランクの観測による (67.80 ± 0.77) km/s/Mpc である[2]。換言すれば、銀河は実視等級20等程度までスペクトル観測が可能であるが、いずれの銀河もそのスペクトルは赤のほうにずれている、これを赤方偏移という。これがドップラー効果とすれば銀河までの距離と後退速度の間に一定の法則性を発見したものといえる。

つまり遠くの星ほど早く遠ざかっていてその速度が距離に比例するので
星が遠ざかる速度が光速をこえてもかまわないという実験観測結果の法則がある。
星という物質が光速をこえているようにみえるが、へりくつにみえるが、
空間というものが光速をこえているので
アインシュタインの特殊相対論をやぶってはいないのだという理屈になっている。

江崎博士は物理学者だが物性物理の博士なので
ハッブルの法則については考えた事がなく、思いつきで質問したのだった。
あるいは初歩的な質問であったので身近なひとに聞く事をはばかれられたのだろう。

またハッブル常数は
 (67.80 ± 0.77) km/s/Mpc 
と変な単位なので (67.80 ± 0.77) km/sのほうの数値が
光の速度よりも小さいと
思ってしまいがちだ。

参考:
1パーセクは3.26光年。
1Mpc(メガパーセク) = 1000kpc = 100万パーセク
光速 30万km/s

Mpc は距離なのですぐにはピントこない。
5,000Mpc (1万六千光年)の距離にある空間の星や銀河なら光速をこえることになる。

宇宙の年齢は137億年  とすれば137億光年=42億パーセク=13,000Mpc 
ということは膨張宇宙の端っこでの膨張速度は光速を3倍近く越えていることになる。

しかしここで矛盾がでてくる。
光速を越えた空間に埋められた銀河などからの光は我々の銀河に埋められたわれわれの
目にはいらないはずだ。
いや違いかな。
たとえ光速を越えた速度で離れて行っても一度放出した光は私たちの目にはいずれ
はいってくるかな。ただし、光を放った銀河はすでにいるとおもっている場所にいないだけかな。

このあたりはもう少し沈思黙考する必要がありそうだ。