がんの中性子捕獲治療で京都大学なので仕様されている
中性子を生成するターゲットの材料のベリリウムは毒性が強いと
読者からコメントがあった。

Wikipedia によれば

危険性 [編集]

人体への影響 [編集]

NFPA 704
1
3
0
金属ベリリウムに対するファイア・ダイアモンド表示[119]

ベリリウムは人体への曝露によってベリリウム肺症もしくは慢性ベリリウム症として知られる深刻な慢性肺疾患を引き起こすように極めて毒性の高い物質であり[120]、水棲生物に対しても非常に強い毒性を示す[119]。また、可溶性塩の吸入によって化学性肺炎である急性ベリリウム症を引き起こし、皮膚との接触によって炎症が引き起こされる[120]

慢性ベリリウム症は数週間から20年以上と非常に個人差の大きい潜伏期間があり、その死亡率は37 %であるが妊婦においては死亡率が高くなる[120]。慢性ベリリウム症は基本的には自己免疫疾患であり、感受性を有する人は5 %以下であると見られている[121]。慢性ベリリウム症におけるベリリウムの毒性の機序は、ベリリウムが酵素に影響を与えることで代謝や細胞複製が阻害されることによる[120]。慢性ベリリウム中毒は多くの点でサルコイドーシスに類似しており、鑑別診断においてはこれらを見分けることが重要とされる[122]

急性ベリリウム症は基本的には化学性肺炎であり、慢性ベリリウム症とは異なる機序によるものである。その定義は「継続期間1年未満のベリリウム由来の肺疾患」[123]とされており、ベリリウムへの曝露量と症状の重さには直接的な因果関係が見られる。ベリリウム濃度が1000 μg/m3以上になると発症し、100 μg/m3未満では発症しないことが明らかとなっている[124]

急性ベリリウム症は最高曝露量の設定による作業環境の改善に伴い減少しているが、慢性ベリリウム症はベリリウムを扱う産業において多く発生しており[120][125]、ベリリウムの許容濃度を順守している工場においても慢性ベリリウム疾患の発症した例が確認されている[126]。また、このような産業に関わらない人々にも化石燃料の燃焼に起因する極微量の曝露がみられる[127]

ベリリウムおよびベリリウム化合物は、WHO の下部機関 IARC より発癌性がある (Type1) と勧告されている[128]。カリフォルニア州環境保健有害性評価局が算出した公衆健康目標のガイドライン値は1 μg/L、有害物質疾病登録局が算出した最小リスク濃度は0.002 mg/kg/day(体重1キロ当たり、1日に0.002mg)とされている[127]。ベリリウムは生体内で代謝されないため、一度体内に取り込まれたベリリウムは排出されにくく[127]、主に骨に蓄積されて尿により排出される[129]

ベリリウム症の歴史 [編集]

1933年、ドイツにおいて化学性肺炎という形で急性ベリリウム症がはじめて報告され、ついで1946年には慢性ベリリウム症がアメリカで報告された[130]。このような症例は蛍光灯工場やベリリウム抽出プラントにおいて多くみられたため、1949年には蛍光灯におけるベリリウムの利用が中止され、1950年代初頭にはベリリウムの最高曝露濃度が25 μg/m3に定められた。こうして作業環境が大幅に改善されたことによって急性ベリリウム症の罹患率は激減したが、核産業や航空宇宙産業、ベリリウム銅などの合金、電子装置の製造などの分野においてはベリリウムの利用が続いている。1952年、アメリカでベリリウム症例登録制度がはじまり、1983年までに888件の症例が登録された[120]。この制度においては6つの診断基準が定められ、そのうち3つが当てはまると慢性ベリリウム症であるとして登録されるようになっていた[122]。検査技術の向上した2001年現在では、肺の経気管支の生体組織診断などによる組織病理学的な確認、リンパ球幼若化試験およびベリリウムの曝露歴の3点が診断基準とされている[121]。ベリリウムは原子爆弾の核反応促進材に利用されるため、初期の原子爆弾の開発に携わった研究者の幾人かはベリリウム中毒によって命を落としている(例えばアメリカの核物理学者でありマンハッタン計画にも携わったハーバート・L・アンダーソン英語版[131])。

爆発性 [編集]

ベリリウムは酸化被膜のために反応性に乏しい金属であるが一度着火すると燃焼しやすい性質であるため、空気中にベリリウムの粉塵が存在している状態では粉塵爆発が起こる危険性がある[120]