元放医研の崎山比早子医学博士がチエルノブイリの健康被害の報告書のまとめを”科学(nov.2011 vol81 No.11, page 1157)でまとめている。
報告書とは2009年のニューヨーク科学アカデミーの”チエルノブイリの大惨事、人と環境にあたえる影響”のことだ。
福島第一原発による放射能被害を考えるにあたってはICRPやECRRよりもこちらのほうがよいかもしれない。さらにいえば本来は放射線の影響についてはWHOが意見をいうべきなのに、WHOとIAEA が不当な契約をしていてWHOが公平な見解を発表できないからだといわれている。ちなみに日本の公的機関の研究者はみな、ICRP, IAEAの指示通りの見解を宣伝していて、被爆者の観点がぬけおちているといわれている。放射線影響学会の研究者たちはいたるところで100mSvでも安全だといっている。

話はそれるが、小型原子炉の提案をしている服部禎男博士は、更に過激で、ICRPやIAEAは逆に放射能の人体の影響を過大評価していると発言している(http://nipponism.net/wordpress/?p=4978)服部禎男博士は低線量放射能の効用をとくホルミシス効果を強調しているほどだ。

さて、チエルノブイリの話にもどるが、いまの日本政府と同様にソ連政府は被曝量と放射線障害との関係が国民にしられないように、その慣例付けをおこなうことを禁じていた。(日本政府は禁じては居ないが、被曝量の測定にきわめて消極的である)
そのために250mGy(mSvとほぼ同じ)の被曝データが存在しないという。
しかしながら、此れ以下のデータは存在するようで

50-200 mSvの被曝は遺伝子異常のある子供への父親の被曝量は50-200 mSvである。
影響のデータはある。100mSv安全論者はこの事実を重く受け止めなければいけない。これらの影響はがんばかりか無脳症、脊椎ヘルニア、多指症、ダウン症、複数の先天性奇形、死産児などがはっきりと増加している(表6)

専門家は大部の原論文の熟読検討を、非専門家は崎山博士のまとめ論文を目にした後に、福島原発事故由来の放射線被曝の人体への影響の評価をして欲しい。