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「トリウム溶融塩炉」⑧ トリウム・サイクルの利点?

 トリウム核燃料サイクル(Th232→U233)では、原爆材料に最適のプルトニウムや超ウラン元素のアメリシウムやキュリウムなど長寿命かつ放射能の強いこれらの元素と縁が切れることが大きな利点である。また、トリウム核燃料サイクルと天然ウランを基礎とするウラン・プルトニウム核燃料サイクル(U238→Pu239)を比較すれば、熱中性子に対してTh232はU238より2倍以上も熱中性子を吸収し、核変換をよく起こすことである。トリウム核燃料サイクルで重要な現象として、Th232→U233となる際、極少量のU232(半減期72年)が随伴して生じる。U232はアルファ崩壊を続けタリウム(Ti)208を生み出す。これがもつガンマ線強度は通常のガンマ線の10~20倍と高く遮蔽は容易ではない。これが固体燃料の場合は大きな困難となるが、液体であれば話は別である。核不拡散性が強いということになる。