吉原清児さんの記事(文芸春秋8月号から)
千葉県在住の元教師Kさんの実例。

06年時 肝臓にがんがみつかって手術不能と死刑宣告された。
肝臓の腫瘍マーカーAFPの値が2万5千。正常値は10以下だ。ステージIIIのがんだ。

診断イメージ像で肝臓のほぼ右半分を占めるほど増殖したがんは血管のなかにも潜り込み
最大直径10.5cm, 短径7.7cmと大きい!

肝臓ののなかでがんが巨大に成長し、爆裂直前という常置。普通では絶望状態で、
医者もさじを投げた状態としても不思議ではなかった状態だ。

昨年、1圧31日と2月1日の2日間に受けた重粒子線が劇的に効を奏した。
がんが消滅したのだ。
腫瘍マーカーはみるみる急降下して治療4日後の一万四千から、一週間後八千百十、二ヶ月後百一
そして3ヶ月後の5月8日は6.9と正常値に戻った。
ダブルチエックのもうひとつの腫瘍マーカーのPIVKA IIも正常値の四十以下となった。

「この方は、間違いなくがん細胞が死滅していると考えていいと思います」(K医師)

一年五ヶ月が経過して、死滅したがんの残骸は、かすかで再発の兆候は無し。

これは奇跡以外の何者でもないだろう
Kさんは今年一月で78歳、体重は62キロ。
がん治療後には1年で4キロの体重が増加したという。

「いやいや、重粒子なんてしらなかった。一番いいのは。全然いたくねーってことだ」と
江戸っ子風にいう。
「時代の進歩でもって、こういうこともあるんだね」
と、ひょうひょうとの弁。


吉原さんもKさんもK先生のいずれも雄弁だが
もっとも雄弁なのは
ガン自身だ。