ハイデルベルグの会議で
イタリアの研究者が
面と向かってドイツのGSI らの研究者ら(ショルツとクラフト)が提案している
重粒子線の治療計画をきめるもとになる重要な計算モデルである
LEMはそのモデルをたてる大前提が間違っていると
LEM を批判する口頭発表を行った。
それはフォトン(X線)が標的にあたるときはサブミクロンのスケールでは
一様に放射線量が照射されるということをLEM にしているが
シュミュレーションを行ったところ、重粒子と同じように非均一に照射されていることが
わかり、間違った前提にたったモデルは間違った結果を生むという指摘であった。
回答者は批判社はLEM を誤解しており、計算過程で平均化を行えばそのような問題は
生じないといういささか苦しい返答をしていた。
たしかにLEM は実験事実とを手入力であわせこむような
改訂をおこなっているかのような印象もあたえており、今後の展開が注目される。

さらにLEM をつかって治療をすすめていこうとしているひとたちは
がんの部位におけるRBEに違いを含めてRBEが多数の変数に依存していて
その組み合わせを考えると気の遠くなるような
データが必要になるが、放医研のデータをとりこむにしても
いまだ理想には遠いという印象を与えているようだ。