わたしの研究上の師は
早いシンクロトロンの専門家であった。
早いシンクロトロンはおおきなシンクロトロンへの入射器
に使われる事がおおい。これを
ブースターと呼ぶ。
粒子のエネルギーと粒子数をあがる前段階の装置という意味だ。

いまはなき東京大学の原子核研究所の電子シンクロトロンは
入射器ではなく単独のスタンドアローンであったが。
このブースターの考えは
現在、建設中のJPARC でも代用されている。

JPARC の建設がはじまる以前に
大強度の陽子加速器をつくるのに
当時はブースター方式ではなく
高エネルギーライナックが提案されていた。
そのほうが粒子数はかせげるからだ。
われわれはブースター方式を提案して
ライナック入射器方式とおいに議論をして争った。
われわれは敗北しライナック方式が勝利した。

ライナック入射器方式でJPARC はすすむことになったが
予算が過大になり結局
ブースター方式に変更になってしまった。