最先端のCTの世界では
スライス数を増やすことに血道をあげているように見える。
64スライスが最先端かと思ったら
東芝がその4倍の256スライスを発表したという。

スライスというのは対象をこまかく切って(スライス)した画像という意味だろうから
スライスの数が増えるほど空間分解能が向上するのだろう。

ところがどっこい、理屈からいくと
相手の臓器は生きているので動いているので
画像データ取得速度が遅いと画像がぶれてしまい、
せっかくスライスを増やしてもその努力が
むだになってしまうことになる。
(実際は息止めで動きを少なくしているようだが限界があるだろう)
CTにおいてはX線を対象にむけてスキャンしていくのだが
その方法には
機械的なスキャンと
電磁的なスキャンの
二つの方法がある。

後者の方法は電子ビームCT(EBCT)で用いられている方法で
そのオリジナルはアイデアは
放医研の館野らからきているといく。
その実現は当時スタンフォード大学の
ダグラスボイドが実現し
イマトロンという
商品名が与えられた。
このイマトロンは
天下の大会社GE(General Electrics)が買い取ってしまい
なんと戦略的にサポートやアップグレードをしなくなって
技術が塩漬けになってしまい、
当時、二十数台あった日本国内の
超高速CTイマトロンはいまでは
稼働しなくなってしまった
ということらしい。