うまい命名というものは名前をみたら内容が
容易に想像できるものです。

積層原体照射
がなにを意味するかみなさん理解できるでしょうか?
???
原体
ってなんでしょ?

放医研ニュース72によれば

http://www.nirs.go.jp/report/nirs_news/200210/hik2p.htm
積層原体照射法は、
がん形状に合せて照射中にいくつかの機器を
動的に制御することにより治療体積とがん形状の
一致度(原体性)を向上させるものです


mmmm
なにかおかしくないか?
説明によると


1
2
3

一番上の図が照射装置の構成です。
こまかい説明は省略します。
この照射装置で
一番下の図が3次元的にがんの形状にあった
照射で”積層原体照射法”でこれが
可能になったという。
実は真ん中の絵は”積層原体照射法ではない”
いままで?の照射法。
ブラッグピークのおかげで
がんだけをぴたっと狙い撃ちをしているとおもっていたら
どうやらそれは非現実的な1次元的な話で
実は2次元(3次元)的には
標的(この場合円または球)の後ろの正常組織にもけっこうあたっていたのだと
説明しているようです。
(このような説明図は3D的に書かないとね)

たぶん実際は多門照射といって方向を変えた
ビームを重ね合わせてもっとよい線量分布にしているんでしょう。
しかし積層原体照射法と多門照射を組み合わせれば
やはりさらによくなるはず!


あたらしい技術が実用化してくるときに
しばしばこのような現実に直面することがあるようです。

どうやってこれを実現するのかという点については
放医研ニュースの説明ではごく簡単にしか説明していません。
こう書いてあります。

この層状の拡大ブラッグピークをレンジシフター
という機器で深さ方向に移動させ、
同時に多葉コリメータで照射野を最適に絞ることで
原体照射を実現します。