”がんなび通信”
から下にあるような11月1日づけの
放射線治療は小児の二次がんを
誘発するという報告があった。
陽子線や重粒子線の
セールスポイントは
高いQOL(Quality Of Life)なので
小児の二次がんが減少することが
期待されている。
放医研では小児がんにはまだ手をつけていない。
ぜひ、早急によい臨床治療をはじめ
よい結果をだしてほしいものだ。
放射線治療を受けた小児がん生還者で二次がんリスクが上昇
米Minnesota大学のJoseph P. Neglia氏らは、11月1日、白血病または脳腫瘍で放射線治療を受けた小児がん生還者では、その後新たに中枢神経系腫瘍を発症するリスクが上昇することを発見したと発表した。詳細は米国立がん研究所雑誌11月1日号に報告された。
同氏らは、白血病または脳腫瘍と診断されてから5年以上生存していた21歳未満のがん患者14300人超のデータを調べた。116人が、その後、新たな原発性中枢神経系腫瘍を発症していた。予後の悪い神経膠腫の患者は40人、良性だが脳を圧迫する髄膜腫の患者が66人いた。マッチド・コントロールとして、年齢、性別、診断時の年齢、診断からの年数が一致する、二次がんを発症していない患者を選んだ。
一次がんの診断から神経膠腫発症までの期間の中央値は9年。髄膜腫では17年。放射線治療は、神経膠腫リスクを6.78倍(オッズ比6.78、95%信頼区間1.54-29.7)、髄膜腫リスクは9.94倍(9.94、2.17-45.6)にしていた。線量-反応を調べたところ、神経膠腫、髄膜腫ともに、過剰相対リスクは、線量が増すにつれて直線的に上昇、関係は強力だった。神経膠腫では、線量あたりの過剰相対リスクは、一次がんに対する放射線治療を5歳未満で受けた小児で最も高かった。
腫瘍部位への30グレイ以上の照射は、良性および悪性の脳腫瘍の発症リスクを有意に上昇させた。45グレイ以上の照射を受けていた患者は非常に少なかったが、全ての中枢神経系腫瘍の発症リスクは、照射量が1グレイ未満だった患者の30倍だった。
著者らは、小児がん生還者にとって、放射線治療歴は、新たな中枢神経系腫瘍発症の危険因子としてもっとも重要だ、と述べている。より若い年齢で治療を受けた小児の方が、その後の神経膠腫リスクが高いことは、発達途上にある脳の放射線に対する感受性が非常に高いことを意味するだろう。二次がんを早期に発見するためには、小児がん生還者、特に放射線治療を受けた患者の長期的な追跡が必要だ。 (大西 淳子=医学ライター)
す。
から下にあるような11月1日づけの
放射線治療は小児の二次がんを
誘発するという報告があった。
陽子線や重粒子線の
セールスポイントは
高いQOL(Quality Of Life)なので
小児の二次がんが減少することが
期待されている。
放医研では小児がんにはまだ手をつけていない。
ぜひ、早急によい臨床治療をはじめ
よい結果をだしてほしいものだ。
放射線治療を受けた小児がん生還者で二次がんリスクが上昇
米Minnesota大学のJoseph P. Neglia氏らは、11月1日、白血病または脳腫瘍で放射線治療を受けた小児がん生還者では、その後新たに中枢神経系腫瘍を発症するリスクが上昇することを発見したと発表した。詳細は米国立がん研究所雑誌11月1日号に報告された。
同氏らは、白血病または脳腫瘍と診断されてから5年以上生存していた21歳未満のがん患者14300人超のデータを調べた。116人が、その後、新たな原発性中枢神経系腫瘍を発症していた。予後の悪い神経膠腫の患者は40人、良性だが脳を圧迫する髄膜腫の患者が66人いた。マッチド・コントロールとして、年齢、性別、診断時の年齢、診断からの年数が一致する、二次がんを発症していない患者を選んだ。
一次がんの診断から神経膠腫発症までの期間の中央値は9年。髄膜腫では17年。放射線治療は、神経膠腫リスクを6.78倍(オッズ比6.78、95%信頼区間1.54-29.7)、髄膜腫リスクは9.94倍(9.94、2.17-45.6)にしていた。線量-反応を調べたところ、神経膠腫、髄膜腫ともに、過剰相対リスクは、線量が増すにつれて直線的に上昇、関係は強力だった。神経膠腫では、線量あたりの過剰相対リスクは、一次がんに対する放射線治療を5歳未満で受けた小児で最も高かった。
腫瘍部位への30グレイ以上の照射は、良性および悪性の脳腫瘍の発症リスクを有意に上昇させた。45グレイ以上の照射を受けていた患者は非常に少なかったが、全ての中枢神経系腫瘍の発症リスクは、照射量が1グレイ未満だった患者の30倍だった。
著者らは、小児がん生還者にとって、放射線治療歴は、新たな中枢神経系腫瘍発症の危険因子としてもっとも重要だ、と述べている。より若い年齢で治療を受けた小児の方が、その後の神経膠腫リスクが高いことは、発達途上にある脳の放射線に対する感受性が非常に高いことを意味するだろう。二次がんを早期に発見するためには、小児がん生還者、特に放射線治療を受けた患者の長期的な追跡が必要だ。 (大西 淳子=医学ライター)
す。