どんな分野でも その世界独特のことばがある。
専門用語というときもあるし、わざと、意地悪につかう場合もある。
そんなことばをジャーゴンという。
今回はそんなことばをおっていく第一回目。

エンドポイントその1


研究デザイン(意味不明?)を考える際に、どのようなものを観察・測定して効果等を判定するかという評価項目を決める必要があります。この評価項目のことをエンドポイント endpoint と呼びます。評価するものの性質はおおまかに、効果に関するものと安全に関するものがあります。例えば、ある予防処置をして死亡率がどの程度減少するかという効果の判定や、ある薬剤で副作用を起こさない割合という安全性の判定などです。コホート研究など疫学調査では、一般的に、死亡率や罹患率が用いられることがよくあります。死亡というエンドの状態を評価するので、その観察時点がまさにエンドポイントとなることから名付けられています。

 臨床疫学では、治療効果や診断結果などが知りたい情報となるために、目的とする評価項目が多彩になります。エンドポイントのタイプには、発症率死亡率再発率といった「比率」を見るもの、生存期間再発までの時間といった「時間」を見るもの、血圧値の低下やコレステロール値の減少といった「数値」を見るもの、症状の緩和など「変化」を見るものがあります。最近ではQOLをエンドポイントの指標にする場合も増えてきています。QOLを指標とする際には主観的要素が強いので評価の仕方が問題となることがあります。また、エンドポイントを評価するための観察に長期間を要する時には、臨床検査や生理学的指標などの代用評価項目 substitute end pointが用いられることもあります。しかし、効果のエンドポイントと代用評価項目で食い違う結果となることがありますので注意しなくてはなりません。
 いずれにしてもエンドポイントとしては、どのような評価項目を用いるか明確し、妥当性や信頼性のあるものでなくてはなりません。 
http://www.med.nihon-u.ac.jp/department/public_health/ebm/ce302.html



エンドポイントその2
以下の説明のほうが判りやすい。

治療行為の意義を評価する為の評価項目のこと。
薬物動態パラメーター、薬力学的評価指標、有効性及び安全性に関連する医薬品の効果
を評価するために選択された反応変数。

エンドポイントは、治験の目的に合ったもので、なおかつ、できるだけ、客観的な方法で評価できる項目が望ましいとされます。
エンドポイントとその解析方法は、治験実施計画書に予め定めておかなければなりません。

臨床試験における治療行為に対して本来求めたい評価項目は、
死亡率、疾患の発症率、QOLの変化、副作用の発現などであり、これらの評価項目は、
真のエンドポイント(true endpoint)と呼ばれます。

しかし、それらを短期間で観察評価することは難しい為、
一般に治験においては、短期間で評価できる暫定的なエンドポイント
サロゲートエンドポイント(surrogate endpoint)
代用エンドポイントとも呼ばれる)
が採用されます。例えば、血圧、血糖値、腫瘍サイズなどです。

サロゲートエンドポイントは、
臨床上重要な結果に関連づけることを意図していますが、
それ自体が臨床上のベネフィットを測るものではありません。代用エンドポイントを使うことにより、十分合理的に臨床上の結果を予測しうる場合又は臨床上の結果を予測しうることがよく知られている場合には、主要なエンドポイントとして用いることができます。また、複数のエンドポイント(評価項目)がある場合は、
プライマリーエンドポイント(主要評価項目)セカンダリーエンドポイント(副次的評価項目)
の区別を明確にしておく必要があります。

プライマリーエンドポイントは、
臨床的及び生物学的に意味のある効果を反映する項目であり、薬理学的にも裏付けられた客観的評価が可能な項目です。通常、試験の主要な目的に基づいて選択されます。

セカンダリーエンドポイントは、
医薬品のその他の効果を評価するための項目であり、プライマリーエンドポイントに関連していることもあれば関連していないこともあります。
http://www.chikennavi.net/word/endpoint.htm

いずれにしてもちょっとまじめで
固すぎたかな。

あたりまえの議論ですが、
なにを指標にするかというのがたくさんあるため、そのことを意識するのに
有効ですね。