largeTumor
腫瘍のなかでは
図のように血管が栄養や酸素を運ぶのは表面だけで内部には到達できない。
酸素や栄養のとどかないがんは内部におしやられ、
細胞死(ネクローシス)の状態になるという。
その割合は全体のいきている細胞の15%くらい。
さて放射線治療では
伝統的に(過去の経験から)
一週間に5日間で合計5-7週間の治療を行う。
どうして分割照射するのでしょう?

簡単には以下のような事実から説明できます。

fractionation
上の図は正常細胞とがん細胞に上のような分割照射を繰り返したときに
細胞の生き残り数を示しています。(土日の効果ははいっていないかも)
つまり、X線を分割照射すると正常細胞はなおってしまうのに
がん細胞はダメージが集積してだんだんと数が減ってしまうのです。
おそらく分割照射をしないでもっと大量のX線(γ線も含む)を大量に照射すると
正常細胞がやられ、副作用が強く、医師も学びながら、分割照射にたどりついたのでしょう。
この説明は実験結果がこうだからというものでその機構は説明していません。


またもっと長い時間のスケールについてなにがおこるか、

たとえば、再発や転移がどうであるかということについては触れていませんので

注意が必要です。

もっとも

手術は化学療法だって同じことを問題にしないといけませんが。

次回は

その機構に立ち入ってみます。(重要