世の中にはすごい創造的な天才があちらこちらにいる。
時代よりもはるかに進んだビジョンをもっている。
その一例がTuft 大学のW.H.Bostickだ
1950年のフィジカルレビューに編集者へのレターとして
“腫瘍への電子ビームの直接照射での治療の可能性”
Possible techniques in Direct-Electron-Beam tumor therapy)
Phys.Rev. 77,564-565(1950)

ボステックのアイデアは強い磁場中に電子ビームを打ち込むことで
横方向の散乱を抑え
電子でもブラッグピークができることを
手計算でやってのけた。

電子加速器は安くて小さいのでこれを
poor man's Bragg Peak
と呼ぶことを Ruth 大学の J.Chu 教授におしえてもらったが
むしろ冗談をぬきにした場合
Wise man's Bragg Peak と呼ぶべきだろう。

加速器の先達、ロバートウイルソンがハドロンのブラッグピークを腫瘍にと
いう提案をした4年後だ。ウイルソンも偉いがもっとみえないものの
ビジョンをもつボステックも偉い。
加速器はその後大きな発展をとげたが、
ボステックのアイデアはまだ実用に供されていない。
ボステックはあまりにも時代の先をいっていたのかもしれない。

これを実現できるのはこれを読んでいる君か!